高島屋限定のショコラブランドも注目
高島屋限定で登場するブランドも見逃せない。
まずは、チェコの中心地・プラハ城の麓に2005年に創業した『シュタイナー&コヴァリク』。
創業地プラハで最も親しまれている果物のひとつがプルーン。そのプルーンを洋酒漬けにし練り込んだボンボンの「プルーンチョコ」をいただく。ひと口かじるとプルーンが持つねっとりとした甘さと深み、ほのかな酸味の後にふわりとラム酒が香る。
ダークチョコレートを使用していて甘さ控えめなので、ウイスキーなどの洋酒に合わせたいと思った。「甘いものはちょっと……」という方にも安心して贈れそうな、大人のチョコレートだ。
なお、原材料費や輸送費などの高騰により、さまざまな価格が上昇している昨今。2023年の高島屋「アムール・デュ・ショコラ」では物価高も意識した展開を見せている。
海外ブランドの王道であるフランスやベルギー以外で、原材料の調達コストを押さえられるブランドを開拓したのが、上記の『ラ・ロシェ』や『シュタイナー&コヴァリク』。良質なショコラを探し出してきたバイヤーの森下由佳子さんの熱意に拍手を贈りたい。
フランス中東部の芸術と歴史の街・ディジョンに本店を置く『ファブリス・ジロット』。現在、日本に店舗はないが、国内の人気が高いショコラトリーのひとつだ。
フランスの人間国宝・ファブリス・ジロット氏は、1990年に当時最年少の26歳でM.O.F(フランス国家最優秀職人章)を取得し、2008年からは7年連続で「C.C.C.」で最高位を受賞、さらに2015年から3年連続で「欠かすことのできないショコラティエ」に選出された。
試食したのは「ピーナッツ・プラリネ」。極薄のチョコレートでカバーされたプラリネは繊細でありながら、ピーナッツ以上にピーナッツを感じるほどの濃厚さに驚く。が、華やかな余韻とともにスッと引いていく。素材の持ち味を存分に引き出した手腕に脱帽。この楽しさと儚さたるや、癖になりそうだ。
ここまで紹介した中でもどれにしようか、迷いまくってしまっている。