東京の三ツ星ラーメン店「醤油・塩編」林家正蔵師匠もお気に入り、浅草の老舗『来集軒』など厳選4軒

着丼とともに鼻孔をくすぐるスープの香り、ひと口飲めば身体の隅々に旨さがしみわたり、麺をすすればじ〜んわりと口福が訪れる。長く愛される味には人を惹きつけてやまない魅力がある。ここでは、約20年以上続く名店の醤油・塩ラーメンのおいしい店を中心にご紹介。新店のルーツともいえる味もあり、深遠なる世界を感じられるはず。

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着丼とともに鼻孔をくすぐるスープの香り、ひと口飲めば身体の隅々に旨さがしみわたり、麺をすすればじ〜んわりと口福が訪れる。長く愛される味には人を惹きつけてやまない魅力がある。ここでは、約20年以上続く名店の醤油・塩ラーメンのおいしい店を中心にご紹介。新店のルーツともいえる味もあり、深遠なる世界を感じられるはず。

【醤油ラーメン】

『来集軒(らいしゅうけん)』 @浅草

奇をてらわない味が変わらずそこにある幸せ

日常の幸せってこういうことをいうのかな。いつ訪れても安心の味がそこにある。昭和がふわり漂う店、名だたる著名人にも愛された浅草の老舗『来集軒』である。

モヤシそば 900円

『来集軒(らいしゅうけん)』モヤシそば 900円 豚肉、もやし、キクラゲなどが入ったやさしい味

初代が「すぐ食べられてお腹を満たすラーメン店が人の役に立つ」と昭和25年に創業。歴史を繋ぐ3代目が落合秀実さんだ。レシピはなく、体で覚えた感覚が頼り。「モヤシそば」は冬の人気で、常連の林家正蔵師匠もお気に入りとか。

手揉みのちぢれ麺は親戚が営む製麺所の特注。豚足、豚骨、鶏ガラに野菜のダシを加えたスープがとろんと馴染む。熱々をふうふうして頬張れば、心までぽっかぽか。明日の活力をもらいに行こう。

『来集軒(らいしゅうけん)』

[住所]東京都台東区西浅草2-26-3
[電話]03-3844-7409
[営業時間]12時~18時 ※材料が無くなり次第終了
[休日]火
[交通]地下鉄銀座線田原町駅3番出口から徒歩5分、つくばエクスプレス浅草駅A2出口から徒歩2分

『支那ソバ かづ屋』 @目黒

染み渡るスープと絶妙な食感に箸が止まらない

提供されたワンタンメンのスープをひと口。ほんのり魚介の香り。そしてコクと重層的な奥行き。鶏ガラと豚ゲンコツ、香味野菜に煮干しや昆布も使うという味わいがじんわり体に染みる。そのスープと絶妙に絡むストレートの麺は自家製麺だ。

ワンタンメン 1250円

『支那ソバ かづ屋』ワンタンメン 1250円 澄んだスープは味わい深いが強過ぎるところがない。中細の麺がまたよく合う。ハチミツを塗って焼く豚肩ロースのチャーシューはほんのり甘くてジューシー

麺帯の状態でひと晩寝かされた麺は加水率が高く、ぷるしこで旨みもあってのど越しもよし。ともかくバランスがいい。そして創業以来人気のワンタン。とろとろプルルンの皮の中にジューシーな肉餡がたっぷり包まれ、ふっと生姜が効いてるのがいい感じ。ちゅるんと食感を楽しみつつ、箸が進んで最後まで食べ飽きない。30年の人気は伊達じゃない。

『支那ソバ かづ屋』

[住所]東京都目黒区下目黒3-2-4
[電話]03-6420-0668
[営業時間]11時〜21時 ※売り切れ次第終了
[休日]不定休
[交通]JRほか目黒駅西口から徒歩12分

【塩ラーメン】

『らーめん 天神下 大喜(てんじんした だいき)』 @仲御徒町

いぶし銀の技が光る完成された1杯

目まぐるしく変わる東京のラーメン業界で、1999年の開業から今も第一線に立つのが店主の武川さん。独立前は日本橋の割烹で腕を振るった和の職人だ。醤油やつけ麺、煮干しと数あるメニューの中でも、店の代名詞が「とりそば」。

とりそば 880円

『らーめん 天神下 大喜(てんじんした だいき)』とりそば 880円 自家製の麺は細打ちながらも甘みや香りが強く、存在感抜群だ

昨年から濃度を増したというスープを飲めば、鶏の澄んだ滋味が広がり細打ちの自家製麺からあふれる小麦の風味と受け止める。食べ進むうちに、皮目を炙ったチャーシューの香ばしさ、薬味の柚子の香り、さらには瑞々しい白髪ネギやカイワレが丼の中で溶け合って、加速度的に旨さが増幅。スープ、麺、具材が一体となったバランスの妙に感服するしかない。

『らーめん 天神下 大喜(てんじんした だいき)』

[住所]東京都台東区台東2-4-4
[電話]03-3834-0348
[営業時間]11時半〜14時半LO ※土は〜15時LO、18時〜21時LO ※土は〜20時半LO、祝11時半〜15時LO
[休日]日
[交通]地下鉄日比谷線仲御徒町駅1番出口から徒歩7分

『珍々軒(ちんちんけん)』 @上野

シャキシャキ野菜とスープのコクが力強い旨さ

ガード下に張り出した店先で、アメ横らしい雑踏を感じながら注文。ほどなく提供されたタンメンには、もやし、キャベツ、ニラ、玉ねぎ、にんじんと豚肉がどさっと乗る。野菜は注文ごとに迅速にラードで炒められ、シャキシャキ感が魅力的。

湯麺(タンメン) 850円

『珍々軒(ちんちんけん)』湯麺(タンメン) 850円 満足感充分の野菜とスープの組み合わせは麺なしでの注文も可(100円引き)

そして塩味のスープと絡んだところを豪快にワシワシ。スープはベースの鶏の旨みに豚のコクを感じさせながらシンプルに旨い。ケレン味なくも力強さを感じさせる味だ。黄色い中華麺が小麦の香りを感じさせ、スープに絡む。豚バラチャーシューのつけダレをカエシに、ゴマ油も少々。食後に力が漲るような満足感。町中華の枠を超えた傑作だ。

『珍々軒(ちんちんけん)』

[住所]東京都台東区上野6-12-2
[電話]03-3832-3988
[営業時間]10時〜23時 ※日は〜20時
[休日]月(祝の場合、翌火休)
[交通]JR山手線ほか上野駅不忍口から徒歩3分

撮影/西崎進也(来集軒)、竹崎恵子(かづ屋)、小島昇(天神下 大喜、珍々軒)、取材/肥田木奈々(来集軒)、池田一郎(かづ屋、珍々軒)、菜々山いく子(天神下 大喜)

※2023年2月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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