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ほんのりと甘い、心が豊かになる味

ふぅ……。やっとここからが本題。ずいぶんと前置きが長くなったが、今回紹介するのは、『富田屋』のチャーラー。創業100年超のみりん蔵の店主が作るラーメン、チャーハンはどんなものだろうか。

店内に掲げられたメニュー。一品料理は日替わりで用意
店内に掲げられたメニュー。一品料理は日替わりで用意

店内の黒板に書かれているのがメニュー。ラーメン以外にも「ロールキャベツ」や「ホウレン草のゴマ和え」や「エビクリームコロッケ」などの一品料理も用意している。

これらの調理は、主に石黒さんの母親が担当していて、客の間で「お袋の味」と評判も高い。むちゃくちゃソソられるが、やはりここは「らぁめん」(700円)と「タカナチャーハン」(450円)を注文することに。

「らぁめん」(700円)と「タカナチャーハン」(450円)
「らぁめん」(700円)と「タカナチャーハン」(450円)

で、これが、ここ『富田屋』のチャーラー。今どきのラーメンのようにインスタ映えする華やかさはないが、おいしそうなオーラを放っている。いぶし銀の輝きというか、これが創業100年超の歴史なのかもしれない。

では、ラーメンからいただきます! まずはスープを……。うん、鶏の旨みがギュッと凝縮されているだけではなく、深いコクとほんのりとした甘味も感じる。おそらく、これが「戸田本みりん」の力だろう。こんなやさしい味わいのラーメンは唯一無二。味わうごとに心が豊かになる。

具材は鶏チャーシューとメンマ、ワカメ、海苔、ネギと盛り沢山
具材は鶏チャーシューとメンマ、ワカメ、海苔、ネギと盛り沢山

「もともと鶏ガラベースの昔ながらの中華そばをずっと研究していたのですが、鶏ガラを煮込む時間を間違えてスープが煮詰まってしまったんです。捨てるのももったいないと思って、作って食べてみたら美味しくて、鶏白湯にしようと。タレには地元産のたまり醤油とウチのみりんを加えています。その比率を算出するのに苦労しました」(石黒さん)

具材の鶏チャーシューやメンマも実に丁寧に仕込まれている。とくに鶏チャーシューはとても柔らかく、スープとの相性も抜群。「あぶりチャーシューメン」(950円)や「チャーシュー丼」(400円)、「チャーシューエッグサンド」(550円)を目当てに通う客も多い。

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ラーメンのスープと絶妙なマッチング...
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永谷正樹
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