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普通のご飯の素晴らしさをしみじみ感じさせてくれる、定食屋の存在。普段はあまり気にかけることなく過ごしがちなこの極上ご飯を、真摯にリスペクト&フィーチャーいたします!

『ふ定食屋』 @恵比寿

百年後までふつうのご飯を支えたい そんな思いが原動力

焼き鮭に箸を入れると、ふっくらとした身と外側のパリッと香ばしい焼き加減に「おぉ」と小さな感動を覚えた。奇をてらったものはないけれど、なにげない料理が丁寧に作られている。ここ『ふ定食屋』のテーマは、かつては当たり前だった普通のご飯を大切にすること。

炭火焼き鮭 500円、古雑玄米 200円、味噌汁 150円、青菜の胡麻和え 200円、ひじき紫蘇煮 200円、納豆 180円、明太子 180円、厚焼き玉子 180円

『ふ定食屋』(トレー内左から)古雑玄米 200円、(小鉢上から)青菜の胡麻和え 200円、ひじき紫蘇煮 200円、納豆 180円、(右上)炭火焼き鮭 500円、(右下)味噌汁 150円、(トレー外左から)明太子 180円、厚焼き玉子 180円 鮭は注文を受けてから炭火で焼き上げる。稲藁に住む天然の納豆菌で造る昔ながらの納豆。ご飯は「銀シャリ」か、古代米を入れた「古雑玄米」から選ぶ。おひつでの提供も可。味噌汁はレギュラーとヴィーガン用の2種を用意。熱々を運んでもらえる

伝統的な調味料や添加物無しの食材、顔見知りの生産者が作る野菜など、“真っ当な”ものを使ってごくシンプルに調理する。主菜を選び、小鉢やご飯を自由に組み合わせるスタイルは、好きな献立を選べるだけでなく、フードロスを少しでも減らすことに役立てたいと考えている。

店名の“ふ”の謎を解くと、トレンドを追わず、受け継がれてきたものを育む普遍性、化学調味料や農薬などの不添加、そして変化を楽しみ、自由であるための不定の頭文字。そんな志に引き寄せられて、個性的なスタッフが集まったことも店の強みとなった。

ミシュラン星付きフレンチ出身者や元料亭の料理長など、“定食屋”ではくくれない可能性を秘めている。でも「情報に振り回されて欲しくない」とうんちくはあえて封印。1品180円、300円と気軽な値段で、街の人たちのより良い日常をさりげなく後押ししている。

『ふ定食屋』

[住所]東京都渋谷区恵比寿4-5-23 ルイシャトレ恵比寿101
[電話]非掲載
[営業時間]7時半~15時
[休日]無休
[住所]JR山手線ほか恵比寿駅東口から徒歩3分

『青山 おとと』 @外苑前

立派な魚に惚れ惚れ 釣り好き料理長の魚が主役の定食

釣りと魚が大好きという料理人の福嶌さん。休みともなれば、店を終えたその足で車を飛ばし、朝には外房で釣りをするというほどの釣り好きだ。「本当においしい魚が食べられて、ご飯もしっかり味わえる。そんな店を目指しました」と言う。

銀鱈西京焼き 定食(昼) 2500円

『青山 おとと』銀鱈西京焼き 定食(昼) 2500円 自家製ブレンドの西京味噌で漬けた銀鱈。漬物と明太子、小鉢2品はセット。内容は日替わりで、この日は牡蠣の炊き物、かぶとそぼろの炊き合わせ

自慢の定食は、割烹料理店のそれのように端正な姿だ。西京味噌と濃厚な魚の脂の旨みが溶け合う銀鱈は、立派な厚みに驚く。鯖の味噌煮だって半身でドーンと太っ腹。カウンターの中心に陣取る特注の羽釜で炊き上げるご飯は、粒立ちがよくツヤツヤ。小鉢や付け合わせもひと手間かけた料理ばかり。定食と思うと価格はやや贅沢だが、お値段以上の内容に食べれば大満足できる。

夜は刺身や藁焼きなど魚料理で飲むのもいいし、ご飯セットもあるので、深夜にしっかり食べたい時にもうれしい。「遅い時間でも炊き立てのご飯が食べられる店があったらいいなと思って」と福嶌さん。ときには釣り仲間の釣果が持ち込まれることもあるというから、出合えればラッキーだ。

『青山 おとと』

[住所]東京都渋谷区神宮前3-1-28 ベルタウン青山地下1階
[電話]03-6804-1914
[営業時間]12時~15時(14時半LO)、18時~24時(23時半LO)
[休日]不定休
[交通]地下鉄銀座線外苑前駅1b、2a出口から共に徒歩5分

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おとなの週末Web編集部
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