ティモンディ前田裕太の“おとな”入門

【ティモンディ前田裕太の“おとな”入門】第29回 「旅」編(5)長野で見つけた、人生とスノーボードの共通点

ティモンディ前田裕太

自分が彼女とゲレンデに行くなら… どこの地へ行こうと昇って降るだけでやることは同じなのだけれど、その土地のゲレンデによって難易度も景色も異なるのが良い。ご飯もその土地ごとに特徴があるので楽しみだったりする。 長野県は天気…

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お笑いコンビ「ティモンディ」前田裕太さんの、「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げた連載コラム。30代に突入した前田さんが「大人」を目指して過ごす日々を、食・趣味・仕事など様々な視点で綴ってくださいます。連載は、第1・3木曜日に更新です。「(理想の)大人ってなんだろう?」を一緒に考えながら、前田さんの成長を見守りましょう!
今回は、前田さんが大好きなスノーボードを楽しんだ時のお話。リフトで昇って滑って降る、という単純作業や、ゲレンデでの人間模様の中に、人生との共通点を見出したようです…!

スノーボードに見出した「生きる意味」

スノーボードが好きだ。

やっていることはリフトで昇って滑って降りるだけ。結局、同じ場所に戻るのであれば最初から昇る必要もないとも言える。その点において無意味な行為とも言えるのだけれど、その無意味さが良い。

寝て起きて仕事して、飯食って寝ての繰り返しに、なんの意味があるのだろうか、と思ったことがある。

心配はしないでいただきたい、元々こういう性格なのだ。

この日々に意味を求める思考の行先は、生きる意味の模索に繋がるのだけれど、スノーボードでゲレンデを滑っている時に、その答えが見つかった。

結局、スタート地点とゴール地点が同じスノーボードなのだけれど、上から滑っていく過程で色々な道を通る。

急な道であれば、転ばないように適度にブレーキをかけるし、急カーブであれば転落しないように慎重に滑る。適切な対処をしなければ横転するし、他のスノーボーダーがガンガン速度を出しているのを見て、自分も出来ると過信して調子に乗り勢いに身を任せれば痛い思いだってする。

そして、自身の身の安全のために思考して、判断をし、最終的にスタート地点に戻ってくる。

その判断を下したという事実は自分の中で積み重なっていって、経験という名前になり自分の中に蓄積していくのだ。

人生は、無から生まれた瞬間に死へ向かって走り出すスノーボード。

その道中で数多の判断を繰り返して経験を溜め込んでいくのは、人生も同じ。考えて、判断して、というその工程こそが生きる意味なのだ。

自分が彼女とゲレンデに行くなら…

どこの地へ行こうと昇って降るだけでやることは同じなのだけれど、その土地のゲレンデによって難易度も景色も異なるのが良い。ご飯もその土地ごとに特徴があるので楽しみだったりする。

長野県は天気が良ければ富士山が綺麗に見えるし、信濃蕎麦が有名なので、冷えた身体に染みる温かい信濃蕎麦が最高だ。

さて、今回も人生を楽しむとするか。

そう思って長野県のゲレンデに到着すると、その日のゲレンデは賑わっていた。

ゲレンデには大体、大学生グループがワイワイしていたり、親が我が子にスキーを教えていたりする。ただ、その日は特にキャッキャ言いながら青春を謳歌しているカップルが山ほどいた。

リフトに乗り、高所へゆっくり移動している時は手持ち無沙汰で暇になる。その時間を有意義に過ごすため、リフトからカップルを観察することにした。

多くの彼氏が得意げにゲレンデを滑走し、彼女に教えている。何組もカップルを観察していると、その様子から多種にわたる関係性のカップルが見ることができて面白い。

彼氏が彼女へスノーボードを教える時の、教え方も人それぞれ。

先に滑って先行し見本を見せ、彼女が同じように滑ってくるのを待つ、斥候型。
彼女が滑っている後ろから様子を見守る、冬籠り前の親熊子熊型。
ピッタリ後ろをついて進み離れない、山手線型。

一方の機嫌が悪くなると、手厚く心配をする者。
笑わせようとおどけて見せる者。
相手と同様に不機嫌をぶつける者。

十カップル十色の関係性が見てとれる。

スノーボードは人生を表すだけではなく、そこで取る他者へのアクションには性格まで出るのか。面白い。

自分がもしも彼女とゲレンデに来たら、どんな関係性になるだろうか。その時は果たして、どんな様子で相手を見守ってあげているだろうか。

何型になったとしても、楽しくゲレンデを滑っていて欲しいものだ。

これ以上考えると妄想で現実に帰ってこれなくなりそうなので、これくらいにしようと思う。

さて、いつかご令嬢とゲレンデを滑るために、今月またスキー場に足を運ぶとしよう。

前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。

ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約28万人。

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