斬新な調理スタイルの「バズレシピ」や「至高のレシピ」で話題のリュウジさんは、お酒を飲みながら料理をするというYouTube動画が人気の料理研究家です。レシピの公開だけでなく、Twitter「リュウジの酒場探求記」では気になる飲食店の紹介も。SNSなどの総フォロワー数が800万人以上という「料理のお兄さん」が、感性の赴くままに歩いて街で見つけた「自分史上最高にウマくて、楽しく飲める店」について本音で語ります。
第12回は東京・錦糸町の「串揚げ 依知川」です。
アスパラ肉巻きに、圧倒された!
錦糸町駅(墨田区)に向かう道すがら、ずっと気になっている店があります。隠れ家のような門構え、純白の暖簾が下がった横には「串揚げ」の文字。先日、僕の好物、串揚げの店と知って、心弾ませ石畳を通り、木のぬくもりあふれる店内へ。大きな窓からは庭が見渡せることで開放感に包まれています。都会の喧騒から離れて、日頃の疲れが癒されます。
メインは、10串のおまかせコース(5000円)。串揚げ10種類のほか、旬の食材を使った前菜3品と串休めがついています。
串揚げには、それぞれに合った自家製ソースが10種類(塩、すだち、からし、甘味噌、タルタルソース、特製たれ、チリソース、おろしポン酢、フルーツソース、甘酢トマト)用意されているというこだわりよう。ソースは、大きな木の葉型の皿1枚に串が出てくる順番に仕切られて入っています。
最初に出てきたのは、希少な白姫(しらひめ)えびを大葉で包んだもの。塩をつけるとえびの甘味が引き立ち、大葉の香りとともにぷりぷりした食感を堪能できます。入念な仕込みと下処理があってこそ、匠の技(わざ)が冴え渡ります。
衣は、きめ細かなパン粉をうっすらとまとい、軽やかな仕上がり。火加減もちょうど良く、素材の持ち味を存分に引き出しています。
見た目も味にも圧倒されたのは、太めのアスパラガス1本を豚バラ肉で巻いた串。揚げ菓子の細長いチュロスのようで、片手に持って豪快にかぶりつきます。アスパラガスのみずみずしさが口の中に広がり、豚バラ肉の旨味がコントラストなったところにタルタルソースの酸味が加わって、ウマいのなんの!もう1本欲しくなるほど、最高の1串!