酒を通して人と人がつながる“ネオ角打ち”
白状します。私の「角打ち」イメージ、ほぼ昭和で止まってました。昔ながらも好きだけれど、増加しているという「ネオ角打ち」を探ってみた!中目黒の『&SPIRITS』は、『おとなの週末』編集・戎が長らく気になっていたという店。「ジンを買いに行ったら、バーカウンターで飲めるんですよ!仕事がなければ飲みたかった」らしい。
その思いが叶うときがきた。ボトルが並ぶ地下のセラーは圧巻の光景。「これ飲んでみたかったんですよぉ〜」。選んだクラフトジンをニンマリと味わう戎であった。いい酒をちょっと飲める、しかも素敵なバーカウンターで。12時から営業なので昼飲みもいい!
『BEER OLYN』はクラフトビール専門店。100種以上も揃うから、どれを選んでいいかわからない。しかし、そこにニコニコ顔の店主・窪田さんがいた。「えーと、白っぽいにごったやつが好きなんですけど」という、ざっくりした好みにも応えてくれる。さらに「台湾の『タイフー』も面白いですよ」なんて勧めてくれる。角打ちは、店の人と客の距離が近い。普段飲まない、新たな酒との出合いが生まれやすいかも。
次に訪れたのは『NOMURA SHOTEN』。勧められて飲んだバジルを使ったジンは、バジルソースの効いた生春巻きにぴったり。オリジナルの酒を揃え、料理もスタイリッシュだが、ふらっと寄れる雰囲気。しかも斜め前に銭湯まで!近所の方がうらやましい。角打ちでは客同士の距離もまた自然と近い。
『関町セラー』では、犬の散歩中に寄ったカップルとちょいとおしゃべり。「週末の散歩のたびに来ちゃうんですよ」と笑う。それは当然、いや必然です。ネオ角打ちって本屋さんに似てる、とふと思った。既存の本屋は減っているが、セレクトした本を揃え、イベントを開いたり、カフェもある「セレクト系本屋」は人気だ。酒屋にも同じ流れがあるかもしれない。楽しく飲めて、イベントがあったり、人と人がつながり、店側も人も喜ぶ。そんな「角打ち」いいぞ。どんどん増えてほしい。
撮影/石井明和(BEER OLYN、関町セラー)、小島昇(&SPIRITS、NOMURA SHOTEN)、取材/本郷明美
※2023年4月号発売時点の情報です。
※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。