40代後半で糖尿病に、筆者が実践している糖尿病対策

「わが国の糖尿病患者数は、生活習慣と社会環境の変化に伴って急速に増加している」(厚生労働省のホームページより)。糖尿病は発症すると完治は見込めず、悪化すれば、網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こします。40代後半…

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「わが国の糖尿病患者数は、生活習慣と社会環境の変化に伴って急速に増加している」(厚生労働省のホームページより)。糖尿病は発症すると完治は見込めず、悪化すれば、網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こします。40代後半で糖尿病と診断された筆者が自らの体験を振り返ります。

「糖尿病が強く疑われている人」男性は2割弱、女性は1割強

よく耳にする病気の一つに糖尿病があります。2019年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、「糖尿病が強く疑われている人」は、男性で19.7%、女性で10.8%の割合もいるとのこと。ここまで多いともはや国民病と言えるかもしれません。

糖尿病とは、インスリンというホルモンの不足や作用低下によって血糖値の上昇を抑える働きが低下してしまう病気のこと。1型と2型があり、このうち約9割近くが2型糖尿病の罹患者で、主に遺伝や運動不足や肥満、生活習慣病が原因だと言われています。

糖尿病の症状が悪化すると、足の壊疽、失明などの重篤な合併症や脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす要因にもなりうるため、日頃から健康に留意し、生活しなければなりません。

そこで糖尿病患者だけでなく、糖尿病予備軍の人たちが日頃から気にしておきたいポイントについて、自らも糖尿病患者である筆者が実践した経験を踏まえて紹介します。

もはや国民病

ラーメン、白ご飯など炭水化物を好んで食べる

50代前半の筆者が糖尿病と診断されたのは4年前のこと。身長は175cm、当時体重は88kgありました。普段の食生活ではラーメン、白ご飯といった炭水化物を好んで食べる、大盛りを注文する、夜食当たり前。睡眠不足の日が多く、運動はほとんどしないなど、かなり出鱈目な生活をしていました。

一方で、喫煙はなし、飲酒は月に1回あるかないか、基本ジュースは飲まないということもあって、自分は健康体だと思い込んでいた節もありました。

そんなある日、右腕に痺れが出始め、これが続いたため病院へ。血液検査をしたところ、既に糖尿病が進行、数値が悪いと言われました。

その数値とはHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)のこと。こちらは血糖コントロールの程度を判断するのに用いられる数値で、一般的に正常の人は5.5%以下、5.6〜6.4%を要注意とし、糖尿病の疑いがある人は6.5%以上と言われています(※)。私が診断されたときのHbA1cは8.8%とかなり高い数値を示しており、かなり糖尿病が進行している状態でした。

※参照:日本人間ドック学会
https://www.ningen-dock.jp/public/method

糖尿病は一度罹患すると治らないと言われてかなりショックを受けましたが、能動的に行動を起こすことにより合併症になるリスクを減らしていこうとの主治医の方針のもと、ここからさまざまな対策を実践することとなりました。

糖尿病と診断されて…

糖尿病対策(1)〜食事

・食事の摂り方
主食、主菜、副菜を基本とし、1日朝昼晩と3食の規則正しい食事を摂ること、そしてお腹いっぱいまで食べることなく、腹八分目を意識するよう指導を受けました。

また、食べるときはよく噛んでゆっくりと食べること。これによって炭水化物の吸収速度が緩やかとなり、血糖値の急激な上昇を抑えてくれるということで、早食いはしないよう常に心がけるようになりました。

また、野菜やきのこ類といった食物繊維が豊富なものを先に摂ることによって血糖値の上昇抑制の効果が見込めるため、ベジファーストを習慣とし始めるようになりました。

・炭水化物を過剰摂取しない
ご飯やパン、麺類、甘いジュース類などには多くの炭水化物が含まれており、これらを過剰摂取してしまうと、血糖値が急激に上昇してしまいます。

血糖値が高い状態が続くと、糖尿病に近づいてしまうだけでなく、血管が詰まってしまう、血液の壁が壊れやすくなるなどのリスクが生じてしまう可能性が高まるために注意が必要です。

こうしたことから、毎日のように食べていた白米や麺類などを大幅に減らし、その分おかずや野菜をより摂るように変えました。

・GI値を意識した食生活
同じ炭水化物でも白米の代わりに玄米を選んだ場合、白米に比べ血糖値の上昇が緩やかであると言われています。

これらは、食後血糖値の上昇を示すGI値(グリセミック指数)から見てとることができ、GI値が高いものは素早くエネルギーになる食品、低いものはゆっくりとエネルギーになる食品に分類されます。

GI値が低いものほど、血糖値を緩やかに上昇させてくれるため、GI値が低い食品を意識して食べることは健康的な食べ方と言えるかもしれません。

GI値はブドウ糖(100)を基準に相対的な数値で表したもので、60以下が安心食材とされています。

例えば、白米は77と高い数値ですが、それに対して玄米は55と低いため、食後に急激に血糖値は上がらないとされています。

そこで食材を買うときには、常にGI値の表を参考にしながら、食材選びをするようにしています。

※参考:大塚製薬 
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/glycemic-index/glucose-level/

ベジファーストを励行

糖尿病対策(2)〜運動

糖尿病や糖尿病予備軍の人たちにとって、食事と同じくらい重要と言われているのが運動です。

筋肉は体の中にある余分な糖をエネルギーに変えてくれるため、積極的に筋肉を動かすことが肝要です。これにより、体の中のインスリンの効きがよくなるため、効率よく糖を消費することができると言われています。

また、運動をすることによって、脂肪は減少し、さらに筋肉の増加によって代謝が上がり、糖の消費効率も上がるため、運動をしない手はありません。

私個人としては、週に3回ほど仕事の合間を縫ってウォーキングをするようになりました。これにより、体重も減少し始め、体型だけでなく、体質も改善され始めました。

運動が重要

糖尿病対策(3)〜ストレス

ストレスが増えると、さまざまな病気に罹りやすくなると言われていますが、糖尿病の原因の一つにもストレスが挙げられています。

そのため、日頃からストレスを溜めないように意識をすることも糖尿病に罹りにくくなる秘訣といえます。

個人的にストレスを溜めやすいタイプでしたので、週に1〜2回、趣味を楽しむ時間を作ると決めました。これにより、心身ともにリフレッシュすることができ、幾分かストレスを取り除くことができたと思います。

ストレスを溜めない

2カ月で10kg減

糖尿病と診断を受け、上記それぞれの対策を意識して生活をしたところ、2ヶ月で体重が10kg減少、体調もすこぶるよくなり、次の診察でHbA1cは6.8%にまで下がりました。

合併症のリスクが高まると言われている7.0%を切ったことでホッとしたのか、その後は横ばいの数値ですが、これからの人生を健康に過ごすためにも、引き続き低糖質の食事を意識したり、運動したりと日々糖尿病対策に勤しんでいます。

糖尿病は一度罹患してしまったら、元の生活に戻ることはできません。現在糖尿病と診断されている人はさらに進行しないように、また糖尿病予備軍の人は今から糖尿病対策を意識することによって、将来糖尿病と診察されないよう努力を惜しまないで欲しいと願っています。

文/中山圭

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