旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:たい
難易度:★☆☆☆☆
春は桜鯛、秋はモミジ鯛。それぞれ旨さが違います
優れたもののたとえとして「腐っても鯛」という言葉があるほど、たいは日本では珍重されている魚です。また、お祝い事には欠かせない魚でもあります。
たいと一口に言っても、まだい、くろだい、ちだいなど、さまざまな種類があります。しかし一般的には、たいといえば、真鯛(まだい)のことを指します。
たいは秋が旬じゃないの? と思う人もいるかもしれませんね。じつは、たいの旬は春と秋の2回あるといわれています。
桜の咲く季節である3~5月に獲られるまだいは、桜鯛(さくらだい)とも呼ばれます。桜鯛は産卵期を迎えているため白子や卵をお腹に携えています。いっぽう、秋のたいはモミジ鯛と呼ばれます。
じつは、桜鯛は白子や卵を食べたいという人にとっては最高なのですが、身の旨さに関しては当たりはずれが大きいといわれています。
産卵期のたいは白子や卵に栄養がとられるため身は栄養不足になって旨味が減ってしまう個体が多いいっぽう、産卵に備えてエサを大量に食べて丸々と太って脂ののりが良くなっている個体も存在するからです。
たいの白子は希少部位でなかなかお目にかかれないのですが、クリーミィで白子のなかでもトップクラスの美味しさです!
当たりはずれがないのは秋に獲れるモミジ鯛。晩秋から冬にかけては次の産卵に備えてエサを食べて太り始め、脂ののりが良くなるからです。
淡泊でクセがない桜鯛は煮ても、焼いても、蒸しても美味ですが、バターをたっぷり使ったソテーなど、少しこってりした料理に使ってもさっぱりいただけます。
美味しいたいの見分け方
丸ごと一匹を購入する場合は、色鮮やかで目に濁りがないことを確認しましょう。下腹と尾びれの部分がふっくらとしているものは脂ののりが良いといわれ、背びれの部分が盛り上がっているものは身の締まりが良いといわれています。
切り身の場合は、透明感がある少しピンクがかった身のものが鮮度も良く、身に締まりがあります。
たいの注目栄養素
注目したい栄養素はタウリンです。この成分は、悪玉コレステロール値を低下させたり、肝機能を強化したりと、生活習慣病の予防をサポートします。
また、高たんぱく低脂質、糖質の代謝をサポートするビタミンB1も豊富と、ダイエット中の人にもうれしい魚です。