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夏にかけて知っておきたい、ビールが劣化する理由

今回『サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR』を訪れたのには理由がある。「おいしさ体験会」に参加させていただくためだ。どうやら「サッポロ生ビール黒ラベル」のおいしさの秘密が聞けるという。ビール好きとして、それは聴き逃がせない。

朝早くのスタートだったが、こういう機会がないと朝から生ビールを飲むこともない。それはそれで役得である。

『サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR』。雰囲気もいい感じだ
『サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR』。雰囲気もいい感じだ

さて、サッポロ生ビール黒ラベルブランドマネージャー・野並祐介さん、原料開発研究所の研究員兼フィールドマン・ 牧本梨奈さんから説明を受ける。ここでわかったことは原料へのこだわりだ。

明治13(1880)年の時点で、100%道内産の大麦を使用し、翌年にはホップも100%道内産化している。まだ「開拓使麦酒醸造所」という名前だった頃の時代の話だ。その後、大麦はカナダ・サスカチュワン州の農家と協力し、現地の大学との品種開発が1990年代からスタート。

そのひとつが、ビールの酸化を促進する「酵素=LOX-1」を持たない大麦を発芽させた「旨さ長持ち麦芽」。これを使うことで、香味耐久性と泡持ちをアップさせているそう。

現在は群馬県に大麦、北海道にホップの開発研究所を構え、「品種改良(育種)」を行うなど、原料への飽くなき探求が続いている。

原料へのこだわりを聞いたあと、目の前に並んだのは2杯のビール。左は「通常の黒ラベル」、右は「劣化したビール」と書かれている。これを飲み比べるというのだ。パッと見の色味だけでは違いがわかりづらい。早速飲んでみる。

飲み比べで出していただいたビール
飲み比べで出していただいたビール

「通常の黒ラベル」は、スッキリとした飲み口に麦芽の旨みと苦味を感じる。「劣化したビール」はなんともいえないダンボールのような臭いに、舌の両サイドに酸っぱさ、舌の奥では強い苦味を感じ、ちょっとツラい。

今回は缶の黒ラベルでの飲み比べだったが、たまにこういう生ビールを出してくる店があるなぁと嫌な思い出が脳裏をよぎった。

しかし、どこまでやるとこのような状態になるのだろうか。聞いてみると、温度・時間・日光の当たり具合、振動で劣化していくのだそう。

缶を振ると泡がブシューっと出て泡が溢れ出たことはみなさんも経験があるだろう。それに加えて、エグミが出て味にも少し影響が及ぶようだ。

ただ振動に関しては、振ってしまったあとに安定して置いて冷やせば元に戻るのですぐに開けなければよい。例えば、キャンプ等で車からクーラーボックスを持って移動したときに多少揺れるはず。そのときもすぐ開けるのではなく、ちょっと間を置くのがいい。

あと、一番よくないのは高温状態の場所に缶を置いておくことだそうなので、これからの季節は特に気をつけるべし。

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“完璧な生”を飲んで感じる、泡は偉大なり!...
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編集部えびす
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