隠れた人気、4代目の味「サハラ」
嶋田さんは初代が生んだ小倉アイスを守りながら、新しい味にも挑戦している。隠れた人気の「サハラ」は「きな粉を使って何か作りたい」と考案したものだ。国産きな粉は独自の配合。抹茶とバニラのアイスをフタコブラクダに、こし餡を月に見立て「月の砂漠」を表現した。プリリと弾む寒天とアイスにきな粉の風味が寄り添い、沖縄産黒糖を銅釜で炊いて作る伝統の黒蜜をツーッとかければ、懐かしくも新しい4代目の味。
サハラ 830円
「うちは素材の濃厚な味が基本です。小豆餡にしても味がしっかりしているので、そのままでもおいしいんです」ところで『嶋田屋』から店名が変わったのは終戦直後。焼け野原に咲いた野菊にミツバチが集まっているのを見た2代目が「店にもお客様が集まってほしい」と願いを込めた。そこにはきっと『みつばち』の味が次世代へ羽ばたく希望も込めたに違いない。すっかり空になった菊の花の器を眺めながら、思った。
[住所]東京都文京区湯島3-38-10 ハニービル1階
[電話]03-3831-3083
[営業時間]11時~19時(喫茶は18時LO)
[休日]無休(冬場は臨時休業あり)
[交通]地下鉄東西線湯島駅2番出口などから徒歩2分、JR山手線ほか御徒町駅北口から徒歩4分
撮影/西崎進也、取材/肥田木奈々
※2023年5月号発売時点の情報です。
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