「金の成る木」の教えとは
神廟の横には「金の成る木」があるが、こちらも霊験あらたかであれば嬉しい限りである。
「よろず程のよ木」「志ひふかき(慈悲深き)」「志やうぢ木(正直)」がお金持ちになる要諦である、と3つの教訓が案内に記されている。
神廟で手を合わせ、社殿を過ぎて楼門まで降りると、家康公の手形が置いてある。ハリウッドスターと力士ぐらいしか手形を残さないのかと思っていたが、つい自分の手に重ねてみる。ほぼ同寸だ。縦が19cmほどである。家康公の身長は155cm~159cm、体重70kgと伝えられている。
境内の久能山東照宮博物館では、歴代の全将軍の甲冑など2000点以上の文化材が拝観できる。家康自身の鎧は、3領展示されている。
久能山東照宮の魅力は、歴史ある建造物や資料などばかりではない。戦国時代の要害の地と紹介したが、標高216mの久能山山頂付近から眺める駿河湾は、これまた最高である。
実は久能山東照宮は100年くらい前までは、一般の人の参拝は叶わなかったという。
家康の強運パワーをもらいながら、歴史を学び、駿河湾を一望する。家康が同じ風景を眺めていて、この地に葬られたことを思うと、これ以上の家康ゆかりのパワースポットはないように感じた。
帰りはロープウェイを使い、日本平まで移動する。行きの登山に比べると、とても楽ちんだ。日本平からは、駿河湾とともに天気の良い日は富士山が目の前に見える。丘陵地の日本平は標高307mで久能山東照宮よりも高く、見晴らしもよくて絶景だ。ここから、静岡駅までバスも出ている。
久能山東照宮近くにある家康のゆかりの観光地には、駿府城跡(駿府城公園)、風光明媚な海岸線と松林で知られる三保松原、静岡浅間神社、「どうする家康 静岡 大河ドラマ館」などがある。JR東海では、家康の足跡巡りの便利な特別プランを販売している。
久能山東照宮へのアクセス
- 静岡駅から静鉄バスで「東大谷」で下車。そこでバスを乗り換え「久能山下」下車(所要時間40分程度⇒山門から1159の階段を登る
- 静岡駅から静鉄バスで「日本平・日本平ロープウェイ行き」(所要時間約40分)。そこからロープウェイで久能山東照宮へ。バスとロープウェイと拝観券との割安セット券が新静岡バス案内所などで発売
- 高速道路を利用するなら、「日本平久能山スマートIC」、もしくは「静岡IC」または「清水IC」下車