旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。 さて、今回のテーマとなる食材は? 文/おと週Web編集部、画像/写真AC 【今月の旬食材は?】いま1年で…
画像ギャラリー旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:いちじく
難易度:★★☆☆☆
さわやかな甘味がお好みなら夏果を、濃厚な甘味がお好みなら秋果を
いちじくの旬は6月頃から11月頃と、ほかの果物に比べて旬の時期が長めです。
その理由は、 夏果専用種(夏果)と呼ばれる夏に旬を迎える品種と、秋果専用種(秋果)と呼ばれる秋に旬を迎える品種があるためです。
ほかに、夏にも秋にも収穫ができる夏秋兼用品種もあります。そのため、実質、いちじくの旬は2回あるといわれています。
6月頃から流通し始めるのは夏果で、晩秋に花を咲かせて冬を越して翌年の初夏頃から食べ頃を迎えます。少し酸味のあるさわやかな甘味が味わいの特徴です。
もういっぽうの秋果は、8月下旬~10月中旬頃に旬を迎えます。こちらは夏果よりも酸味が少なく、甘さも濃厚です。
いちじくは包丁を使わず、手で皮を剥くことができます。また、完熟したものは皮が非常にやわらかになるため、塩でこすり洗いするなどして皮についた産毛をとれば皮ごと食べることもできます。
ただし、いちじくの乳白色の樹液や皮にはフィシンと呼ばれるたんぱく質分解酵素が多く含まれていて、稀にアレルギー症状が起きる場合があります。とくに、天然ゴム製品に触れることでじんましんや、ぜん息発作などを起こしてしまう、ラテックスアレルギーの人はフィシンにアレルギー反応を起こしやすいといわれているので注意が必要です。
また、産毛を残したまま食べてしまうと、口の周りに刺激を与えてしまい、口のまわりが赤くなったり、かゆみが出たりするおそれがあるので注意しましょう。
いちじくは購入してすぐに食べるのが基本。保存するにしても2~3日が限度と考えましょう。食べ切れないときはジャムやコンポート、スムージーなどにして食べるのがおすすめです。
肉料理に使用するとフィシンのたんぱく質分解酵素の作用で肉をやわらかくすることができます。
美味しいいちじくの見分け方
ふっくらとしていて皮にハリがあり傷がなく、ヘタの切り口部分が乾燥していないものを。切り口に白い液がにじみ出ているようなら、とれたての証拠です!
完熟したものは全体が赤褐色に色づき、おしりの部分が軽く開いた状態になります。おしりが大きく裂けてしまったものは熟れすぎです。
また、皮が白いいちじくは完熟しても表皮が赤く色づきません。夏果は全体に黄緑に、秋果はまだらに茶色く色づいていたら完熟のサインです。
いちじくの注目栄養素
いちじくにはビタミン、ミネラルがバランスよく含まれています。また、強い抗酸力をもち、目の健康維持に役立つポリフェノールの一種であるアントシアニンや、食物繊維の一種であるペクチンも豊富に含まれています。
アレルギーの原因になるフィシンですが、たんぱく質を分解して消化を促し、胃への負担を減らして胃もたれや胃の炎症を防ぐ健康効果があります。アレルギーのない人にとってはとても有用な成分なのです。