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50本以上の源泉が湧く湯量豊富な温泉街を往く

『善光寺』参詣の前に紹介したいのが、門前にある『小川の庄 おやき村 大門店』の囲炉裏火で焼くおやき。特徴はパリッと香ばしい薄皮生地で、“もちもち”や“ふっくら”といった、蒸すタイプのそれとは一線を画す。私の推しは定番の「あずき」。粒の立った小豆は、ほんのり塩気が効いた上品な味で、普段はあんこに食指が動かないという人でも、きっと夢中になって食べてしまうはずだ。

『小川の庄 おやき村 大門店』

戎「生地だけでなく、どの具もめちゃくちゃ旨いですね。いやあ、これは食べる価値あり。土産に買って帰ります!」

小腹も満たされたところで、その足で善光寺へ。躍動感あふれる仁王像や、かつて本堂があった場所に安置されている仲見世通りの延命地蔵、5羽のハトと牛の顔が隠されている山号額、登楼することもできる高さ約20mの山門、「御開帳」で使われた歴代の回向柱などなど、境内の見どころをぐるりと見て回った。

『善光寺』山門からの眺め

松「毎日早朝に行われている法要『お朝事』も、いつか参拝してみるといいですよ。荘厳な雰囲気に圧倒されます」

食事は、明治33(1900)年創業の老舗そば店『北野家本店』で、お目当ての「十割そば」を注文。老舗ならではの洗練された極細の蕎麦で、蕎麦の甘みとやさしい香りを楽しめる。

戎「ダシ感を押し出したツユが、華やかな蕎麦の風味を引き立てています」

さて、長野市から戸倉上山田温泉(千曲市)に場所を移し、いよいよ湯めぐりを開始。ここはもともと善光寺参りの精進落としの湯としてにぎわった場所で、千曲川左岸の戸倉上山田温泉、右岸の新戸倉温泉から成る信州きっての温泉郷だ。狭いエリアに50本以上もの源泉が湧き、界隈には温泉宿や日帰り温泉が点在するが、温度や泉質は絶妙に異なるので、お湯の違いを楽しんでみるのも面白い。

『戸倉国民温泉』は、知る人ぞ知る公衆浴場で、レトロな雰囲気に誘われてふらりと立ち寄って以来、私はすっかりこの素晴らしいお湯の虜になっている。聞けば、敢えて湯船を小さめにすることでじゃんじゃんお湯を入れ替え、温泉の質をキープしているのだとか。「騙されたと思って!」と、半ば強引に入浴を促した戎も、出てきた頃にはえびす顔。

『戸倉国民温泉』

戎「入ってよかった!熱すぎないのでずっと浸かっていられるし、お湯も柔らかくて最高。ぽかぽかになりました」

対する『さらしなの月うさぎ』は、界隈初となる貸切型の日帰り温泉。温泉宿さながらの優雅な空間を独占できるとは、なんたる幸せ。隣の『圓山荘』にも宿泊できるので、いっそ泊まってしまうのもありかも。はあ、極楽。極楽也!

撮影/西崎進也、取材/松井さおり

2023年6月号

※2023年6月号発売時点の情報です。

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おとなの週末Web編集部
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