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境内に4つの温泉小屋が!

信じられないことに、境内で温泉に入れるらしいのである。

温泉小屋「薬師の湯」
温泉小屋「薬師の湯」

「あら〜っ、これはどー見ても温泉小屋だわ? 薬師の湯って書いてあるけど、なぜに境内に温泉が????

またしても大急ぎで携帯を調べる俺。そして、その結果を頭の中で箇条書きでまとめた。

その1)境内に男湯、女湯、男女入替制、混浴の4つ(記述によっては5つ)の温泉小屋があり、いずれも掛け流しである
その2)浴室は簡素な作りで洗い場はない
その3)お湯は酸性が強く、湧き出る温度も高め(70°C)。もし熱かったら加水して入るべし
その4)硫黄臭が強いので、浴室窓はいつも開いている
その5)入山料を納めれば誰でも入浴可能だが、手拭いは自前、石鹸、シャンプー類は使用禁止
その6)混浴はあるが、邪な気持ちで入ったらバチが当たるとのこと
その7)元来は参拝する前に浴びる「清めの湯」で、昔は参拝者全員が入浴していたらしい

「なるほど、なるほど、これは風ちゃんを急いで呼ばないと!」。俺は急いでポケットから携帯を引っ張り出した。

「もしもし風ちゃん」

「あ〜っ、もしもし親方でありんすか。境内で携帯とは無粋でありますよ」

「いやぁ、風ちゃん、大変!! 温泉発見したんだけど」

「どこででゲスか?」

「境内だよ」

「4つあるらしいよ」

「なんとなんと、それは………入らなくてはならないでしょう」

「すぐ参るざんす」

しばらく待つと、地蔵堂の方から急足で近づいてくる「風ちゃん」が見えてきた。

「親方、よく発見しましたね! 風景に溶け込んでいて気づきませんでしたけど、ここの他にもいくつか建物があるみたいでゲスね

「おお、そうなんだよ。とにかく入ってみないかね」

「良ぅガスが、あっしは手拭いを持ってないんでやんす」

「俺もだよ」

俺たちは急いで車に戻り、手拭いを片手にさらに小走りで薬師の湯に戻ってきた。

「さて、風ちゃん」

「へい」

「入ってみるかい」

「へい」

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厳かに清い湯に現世の汚れが流れ落ちる!?...
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鵜澤 昭彦
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