今回も前回同様に旅に同行する俺の相棒は30年来の腐れ縁(失礼)、落語家の「柳家獅童」師匠だ。師匠のことは昔からの呼び名で「⾵ちゃん」と呼ばしてもらうことにする。
さてさて珍道中の始まり始まり!
今回は「海賊のお宝か、はたまた“不老ふ死”の秘薬か、わんさかわんさか! わんさかわんさ! いぇ~い、いぇ~い、イェイェ~イの巻」でやんす。
親方、温泉は良いでゲスなぁ。
俺の事務所に久しぶりに遊びにきた「⾵ちゃん」はドアから入るなり高らかに言いはなった。
「親方! 温泉は良いでゲスなぁ~」
「如何したんだい急に、怖いよ」
「拙は最近温泉に入っていないでゲスよ」
「それがどうしたのさぁ」
「前回からこう間が開きますと身も心も錆び付いてしまうざんすよ。なんだか口舌までも悪くなりそうです」
「おいおい、それは仕方がないだろう、担当編集者がなかなか記事化してくれないんだから、次に行けないのよ」(申し訳ありません……by担当編集E)
「またまた、そんなこと言って~。文章にキレがないから後回しにされちゃうんでゲスよ」
「おーっ。言うね!! 師匠に言われると傷つくなぁ」
「ダイヤモンドは傷つかないでゲスよ!」
「そうだ、親方。ダイヤモンド発見みたいな、なにかお宝がありそうな温泉知りませんか? そんなところに拙は入ってみたいでゲスよ!」
「うーん。そうだなぁー?」俺はしばし考えた。「ちょっと遠いんだけど、あることはあるよ」
「えーっ! 本当にお宝が眠っている温泉なんか、あるんでやんすか?」
「うん、実はお宝だけじゃなくて、ついでに不老不死もついてくるんだよ」
「そ、そんなこと聞いたら、いても立ってもいられませんぜ! レェツラゴーでやんす、ささ今からでも行きゃしょう、行きゃしょう」
「しょうがないなぁ~、それじゃちょっと行ってみるかい!」
数時間後、俺は愛車のステップワゴンに風ちゃんを乗せ、首都高を一路、東北道を北北西に進路をとった。