老舗の2代目が考案、楽しき仕掛け満載の野菜ぶっかけに唸る『手打ちそば 山商』@落合
品書きを見れば各種のせいろに伝統的な種物が並ぶ、これぞ江戸前のど真ん中といった印象。しかし6月~9月限定のぶっかけ蕎麦には、楽しい遊び心も忍ばせていた。現在厨房を切り盛りする2代目の将治さんが考案したのが「冷しベジタブルそば」。切り口も冴え冴えとした二八蕎麦の上にはベビーリーフなどの葉物に加え、小エビ天に絹豆腐といった具材が色鮮やかに散りばめられている。
冷しベジタブルそば 1500円
端正なコシのある蕎麦に野菜の瑞々しさが加わって、すすり心地がなんとも爽快! トッピングした蕎麦の実アラレが時折歯に当たり、カリッと音が鳴るのも楽しい仕掛けだ。さらに途中で別添えのドレッシングをかけると、冷やし中華風に様変わり。ひと箸ごとにくるくる表情変えるこのひと皿に翻弄されてみよう。
[住所]東京都新宿区上落合1-30-14 大関ビル1階
[電話]03-3362-1188
[営業時間]11時~15時(14時半LO)、17時~21時(20時半LO)
[休日]木、第3水
[交通]地下鉄東西線落合駅4番出口から徒歩4分
立ち食いの最古参、風ツユの冷やがけ旨し『そば処 二葉』@秋葉原
引き戸を開けた瞬間、ぷぅんと鼻先に漂ってきたのはカツオダシの何とも言えない良い香り。カウンターの中では白衣をパリッと着こなした職人さんが無駄のない動きで客の注文に応じている。諸説あるものの、ここが東京最古の立ち食い蕎麦屋と言われている店なのだ。少し珍しいのが、全メニューを冷やにできること。
アサリかき揚げそば 530円
お願いすると蕎麦を釜に放ち、水道水で洗った後、さらに氷水で締めてからツユを注いでお釣りと共に目の前にトン。その間なんと30秒~1分弱というスピードだ。関東らしく、かえしを効かせた濃い口の汁にすすり心地の良い長めでモチっとした麺が、冷たさと共に胃に落ちて行く。胡麻油ブレンドで香ばしく揚げた天ぷらやかき揚げなど、好みの具材をトッピングして、さあ召し上がれ!
[住所]東京都千代田区神田和泉町1-4-6
[電話]非公開
[営業時間]7時半~18時
[休日]土・日・祝
[交通]地下鉄日比谷線秋葉原駅1番出口から徒歩4分
撮影/小澤晶子(初代)、鵜澤昭彦(一久)、谷内啓樹(山商)、西崎進也(二葉)、取材/菜々山いく子
※2023年8月号発売時点の情報です。
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