ムシッと暑い日本の夏。この時期は、同じく湿度高めな各国の“アジアめし”が、なんだか妙に体に効く。ぜひ家でも楽しみたい!ということで、雑誌・広告等で幅広く活躍しているフードコーディネーター・タカハシユキさんに、手軽なアジア…
画像ギャラリームシッと暑い日本の夏。この時期は、同じく湿度高めな各国の“アジアめし”が、なんだか妙に体に効く。ぜひ家でも楽しみたい!ということで、雑誌・広告等で幅広く活躍しているフードコーディネーター・タカハシユキさんに、手軽なアジアめしレシピを教わった。今回は”たれ系アジアめし”のつくり方4種をご紹介!
「アジア、エスニック、というと材料の想像がつかない人も多いと思うけれど、実は普段からおなじみの食材に、ポイントとなる本場の調味料や食材をちょい足しすれば、かなり本格的な味わいになるんです」とタカハシさん。たとえば調味料なら、ヌクマムやナンプラーというベトナムやタイの魚醤。これをほんの少し加えるだけで旨みが倍増し、いかにもな風味がブワッと広がる。
また、これらはいずれかで代用可能だというから、どちらかを持っていればアジアめし作りには便利なアイテムだ。食材では、レモングラスやハーブ類がたくさん登場するが、最近は乾燥レモングラスも手に入りやすくなっているし、ハーブもお好みで日本の香味野菜(大葉やセリ、春菊など)に換えてもいいという。
「まずは身近な食材でも簡単に“らしさ”が出せることを実感してみてください。〈たれ系〉は使い回しもきくので、いろいろオリジナルアレンジも楽しんでみて!」
かけるだけでアジアン『ヌクマムだれ』(ベトナム風)
魚醤に砂糖と酢、刻み唐辛子を加えただけとは思えない、複雑な旨みが特徴。ヌクマムはベトナムの、ナンプラーはタイの魚醤で、どちらでも代用可。これひとつで一気にアジアな風味を楽しめる!
【材料/作りやすい分量】
・砂糖……大さじ1と1/3
・ナンプラー……大さじ1と1/3強
・酢……大さじ2
・生赤唐辛子(小口切り)……1本分 ※乾燥の場合は水でもどす
【作り方】
すべての材料を混ぜ合わせる。
【ヌクマムだれを使ったレシピ2種】
『ブン・チャー』
米麺を、ヌクマムだれでつけ麺のようにしていただくアジア麺は、添えたおかずの豚肉(ちなみに現地では肉団子も入る)や、生野菜とともにワシワシといただく。麺は素麺や稲庭うどんなどに変えてもOK!
【材料/2人前】
・豚ロース肉(しょうが焼き用)……150g
A- ニンニク(みじん)……1/2片
A- ナンプラー……小さじ1
A- 玉ネギ(みじん)……大さじ1
A- はちみつ……小さじ1
A- 胡椒……少々
A- 塩……少々
・好みの油……適量
・ブン(米麺)……80g
・ブン用のつけだれ……右下の「ヌクマムだれ」全量+水180ml
・生野菜(もやし、ミントの葉、バジルの葉、パクチー、サラダ菜、ニンジンのせん切りなど)……適量
・ピーナッツ(砕いたもの)…適量
【作り方】
1.豚ロース肉は食べやすい大きさに切り、Aをまぶして10分ほど置く。ブン用のつけだれを混ぜ合わせる。
2.ブンは水に10分ほど浸け、多めの湯で2〜3分茹でて流水で洗う(※メーカーの表示通りの茹で方で茹でる)。食べやすい長さに切る。
3.フライパンを熱して油を敷き、1の肉を両面ともこんがりと焼く。
4.器に3の焼いた豚肉、2のブン、生野菜を添え、ピーナッツを散らす。小皿につけだれを入れて添える。
『キュウリとパクチーの和え物』
シンプルな食材ながら、ヌクマムだれ効果で“いかにも”な味わいの和え物に。ミントの爽やかさが、後味を甘ったるく感じさせない密かなポイント。漬けてすぐに食べても、1~2時間後のシミシミ状態でも美味
【材料/2人前】
・キュウリ……2本
・茹でエビ……4尾
・パクチー……1束
・ミントの葉……ひとつかみ
・ニンジン……1cm
・ヌクマムだれ……レシピ全量
・塩……少々
【作り方】
1.キュウリは塩で軽くこすって洗い、ピーラーで四方の皮を削る。ヘタをとって斜め7mm幅ぐらいに切る。茹でエビは殻をむき、食べやすい大きさに切る。ニンジンは好みの形にスライスする。パクチーは刻んでおく。
2.ボウルに1の野菜とエビ、ミントを入れてヌクマムダレを混ぜ合わせる。すぐに食べられるが、時間が経っても味が染み込んで美味しい。
爽やか&ピリ辛!『フレッシュサンバルソース~サンバルマタ~』(インドネシア風)
インドネシアの辛味ソース(薬味に近い)は、ペースト状にして加熱する「サンバル」と、今回のように生で調理する「サンバルマタ」がある。意外と何にでも合うので、ぜひ作り置きがおすすめ。冷蔵庫で約1週間保存可能
【材料/作りやすい分量】
・赤玉ネギ……大2個(360g)
・生赤唐辛子……1本〜2本(好みの辛さで調整)※乾燥の場合は水でもどす
・レモングラス……7本
・ニンニク……5片
・塩……小さじ1と1/2
・砂糖……大さじ1
・レモン汁……小さじ1〜2
・好みの油……100ml
・こぶみかんの葉……3枚(※なくてもOK)
【作り方】
1.赤玉ネギ、レモングラスはみじんに切る。生赤唐辛子はヘタとタネを除いてみじんに切る。ニンニクは皮と芽をとってみじんに切る。
2.すべての材料を混ぜ合わせる。
【サンバルソースを使ったレシピ2種】
『蒸し鶏のフレッシュサンバルのせ』
レンチン蒸し鶏にサンバルソースをかけただけ。むっちりした鶏肉に、シャクシャクしたソースが相まって、噛むたびレモングラスの香りも広がる。鶏肉をササミに換えて割いて和えれば、サラダ感覚にも
【材料/2人前】
・鶏ムネ肉……1枚
・塩……少々
・胡椒……少々
・酒……小さじ1/2
・フレッシュサンバルソース……適量
・好みでミントの葉、カットレモン
【作り方】
1.鶏ムネ肉は厚みがある部分に切り込みを入れて広げ、塩、胡椒をふる。耐熱皿に乗せて酒をふり、ふんわりラップをして電子レンジ600wで約4分、肉に火が通るまで加熱する。取り出してそのまま冷ます。
2.1の鶏肉を2cm幅に切って器に盛り、サンバルソースをたっぷりかけてミントの葉、レモンを添える。
『サンバルマタ麺〜インスタント麺のっけ〜』
インスタント麺にたっぷりのサンバルソース、そしてツナを、勢いよく混ぜ合わせて食べてほしい。ツナと卵が加わるとぐっとまろやかさがアップして、ウマウマなうえに満足度も大。夏のお手軽ごはんに最高!
【材料/1人前】
・インスタント麺……1玉
・ツナ缶……1缶(70g)
・半熟卵……1個
・パクチー……適量
・フレッシュサンバルソース……適量
【作り方】
1.インスタント麺はメーカーの茹で時間通りに茹で、汁気を切る。
2.器に1の麺を盛り、ツナ缶、半熟卵、パクチーを乗せ、サンバルソースをかける。
【タカハシユキさん】
自由な発想と新しい視点を盛り込みつつ、基本のツボをきっちり押さえた料理を考案するフードコーディネーター。独創的なスタイリングも人気。自身の著者本のほか、雑誌、書籍、広告等でも幅広く活躍中。
レシピ考案・スタイリング/タカハシユキ、撮影/八田政玄、文/編集部
※2022年8月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
画像ギャラリー