元『モーニング娘。』後藤真希さんの弟で、ダンスボーカルユニット『EE JUMP』の元メンバーの後藤祐樹氏(37)が、任期満了に伴う8月20日告示、同27日投開票の千葉県八街(やちまた)市議選への出馬を表明しています。『おとなの週末Web』では以前、窃盗や強盗傷害事件で逮捕されて服役した後藤氏が“塀の中”で経験した食生活“刑務所メシ”について連載しています。その時の取材・執筆にあたった作家の西村健氏が、今回は後藤氏の“選挙メシ”を2回にわたって綴ります。前編は、「告示日に食べたいもの」です。
八街に引っ越して5年
「妻と八街(やちまた)市に引っ越して来て、5年になるんですね。周りの人達からとてもよくしてもらって、感謝しかない。でも一方、この街はもっとこんな風に変わった方がいいよね、と思うこともあるんです。でも5年経っても、ちっとも変わらない。ずっと住んでる人に聞いても、『ここはずっとこのまんまなんですよ』と諦め顔。だったら僕が変えてやろうと思って。それがとてもよくしてくれた、この町の人達へのご恩返しだと思って」
元アイドルで人気YouTuberの後藤祐樹氏が地元、千葉県八街市の市議会議員選挙に出馬する、という。確かに著書『アウトローの哲学(ルール) レールのない人生のあがき方』(講談社ビーシー/講談社)ではラスト、これからやりたいこととして氏は「社会福祉活動」を掲げていた。この、政治進出こそがその答え、ということなのだろうか?
「政治について意識し始めたのは、昨年の11月くらいからです。この町のために自分に何ができるだろうと考えていて、やっぱり政治じゃないかと思って。出馬するぞ、と腹を固めたのは今年の2月。知人の紹介で現職市議の木村由希子さんに会ったんです。シングルマザーながら、昨年11月の市議補選に挑戦して、当選した人。市民の目線を市議会に持ち込もうと努めてる人です。その方から『貴方も出れば』と熱心に誘われてその気になりました」
政治を意識していることに、周囲はびっくり
後藤祐樹氏と言えばお姉さんは元『モーニング娘。』のゴマキこと後藤真希さんだ。そのお姉さん始め、周りの反応はどうだったのだろうか。
「基本的にみんな、驚いてましたね。僕が政治を意識してるなんて、誰も思ってなかったみたいで。僕のYouTubeのファンもそうでした。動物関係の福祉活動を中心にやって行くんだろう、とみんな思ってたみたい。でも覚悟が本物だと分かると、応援してくれてます。特に、妻。妻は僕が新しい何かにチャレンジしようとすると、いつも背中を押してくれる。おかげで頑張れます」
逆にSNSをやっていると、誹謗中傷はないのだろうか。後藤氏は2002年に芸能界を引退後、とび職をするなどして働いていたが、07年10月に銅線の窃盗容疑で逮捕され、12月には強盗傷害で再逮捕、翌08年5月に懲役5年6月の実刑判決を言い渡され、川越少年刑務所に収監されたからだ。
「それは、今回のことに限らず、常にあります。言われることはいつも同じ。『ムショ帰りが何を言ってるんだ』みたいな。確かに、過去には許されないこともやって来ました。でも、ちゃんと服役を済ませて法的には罪を償ってるし、今やってることについてそういう向きからも咎められたことは一度もない。前科持ちが政治家になったらいけないなんて法律はありませんからね。そういう過去を背負った僕だからこそ、逆にできることもあるんじゃないかと思ってます」