『シンチョン ソルロンタン』
滋養に満ちたスープで胃袋を癒すソルロンタン
コムタンにテグタン、さらに多彩なチゲ類と、栄養満点のスープ料理は韓国の食卓の中心だ。なかでも牛骨スープのソルロンタンに特化したのが同店なのだ。まずは写真を見て欲しい。雪のように真っ白なスープは、牛のゲンコツやヒザ軟骨を何度も水を変えつつ丹念に血抜きしてから、じっくり5〜6時間かけて炊き上げたもの。舌の上へと流し込めば、すぅっと消えゆくあっさりとした味わいからクリーミーなコクも広がって、滋養が身体のすみずみまで沁み込む感覚。
ソルロンタン 1518円
それ自体には味付けされていないのも現地のスタイルで、テーブルに置いてある塩や胡椒で味を整えて、はたまた壷ごとやってくる自家製のキムチやカクテキを汁ごと入れ辛味を足してと自分好みに味変していくのも面白い。店は毎日午前11時〜翌朝6時までの通し営業で、ランチやディナーはもちろん、ついつい飲み歩いてしまった深夜の〆にも最高なのだ。
[住所]東京都新宿区大久保1-11-2 エコロ新宿第5ビル2階
[電話]03-6457-3047
[営業時間]11時〜翌6時(翌5時LO)
[休日]無休
[交通]地下鉄副都心線ほか東新宿駅A1出口から徒歩4分
『トシオブ』
実力店のカンジャンケジャンに唸りっぱなし
新大久保で海鮮料理ならば迷わずこの店を選ぶべし。生け簀に泳ぐ魚をコチュジャンのタレで食す韓国流の刺身に、テナガダコの踊り食いなどなど魚介好きをわくわくさせるメニューがずらりと並ぶ。ちなみに店名も“トシ”=都市、“オブ”=漁夫の意味なんだとか。さて、そんな店の大看板がカンジャンケジャン。上質な渡り蟹の産地として知られる西海岸・延坪島産のそれを、自家製の醤油ダレに漬け込むこと数日間。鮮やかなオレンジ色のミソをチュッと吸えば、臭みゼロのピュアなコクが広がった。
カンジャンケジャンセット 3608円
“飯泥棒”の異名も持つこの料理。ご飯に卵黄、トビッコなどが付くセットにして、ミソも身もたっぷり混ぜて食せば、その官能的な旨さに脳天を直撃される。加えて白身魚の刺身を甘辛酸っぱいスープにたっぷり浮かべた「ムルフェ」や、この界隈でも出す店は珍しい「ヌタウナギ炒め」など、どれも抜群。人気店ゆえ予約がベターだ。
[住所]東京都新宿区大久保2-26-1 地下1階
[電話]03-6457-6065(※15時〜17時がつながりやすい)
[営業時間]11時〜23時半(22時半LO)
[休日]無休
[交通]JR山手線新大久保駅徒歩4分
『美名家(みなや)』
家庭的&絶品!中でもポッサムは必食の味
店の扉を開けるなり「アニョハセヨ〜」と陽気なオモニの笑顔に迎えられた。今宵はきっといい夜になるに違いない。品書きを見れば、チゲに麺類、サムギョプサルとオールマイティな品揃え。どれにしようか迷っていると「初めてなら、まずはこれ!」と勧められたのがポッサムだ。国産の黒豚を鍋で火入れすること1時間半〜2時間。煮込み過ぎても味が抜け、煮込みが足りなくては硬さが残る、そのギリギリを見極めるのは長年のカンだという。
ポッサム 3800円
千葉の農家から仕入れる柔らかな葉のサンチュに包んでパクリとやれば、とろりとした脂の甘みと力強い風味が一体となって押し寄せてきた。そこへすかさずオモニおすすめのマッコリをグビッとやれば黒豚の旨みがさらに膨らみ、もうため息。帰り際「カンジャンケジャンも鍋もおいしいのよ」とオモニ。そんな言葉を聞いてしまえば、2度も3度も訪れたくなるではないか!
[住所]東京都新宿区大久保1-9-17 寿ビル2階
[電話]03-3203-4088
[営業時間]11時〜23時頃
[休日]月(祝は営業し翌火休)
[交通]JR山手線新大久保駅から徒歩6分