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今でこそ世界で確固たる地位を築いている日本車だが、暗黒のオイルショックで牙を抜かれた1970年代、それを克服し高性能化が顕著になりイケイケ状態だった1980年代、バブル崩壊により1989年を頂点に凋落の兆しを見せた1990年代など波乱万丈の変遷をたどった。高性能や豪華さで魅了したクルマ、デザインで賛否分かれたクルマ、時代を先取りして成功したクルマ、逆にそれが仇となったクルマなどなどいろいろ。本連載は昭和40年代に生まれたオジサンによる日本車回顧録。連載第89回目に取り上げるのは1986年にデビューした2代目三菱デリカスターワゴンだ。

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デリカスターワゴンはデリカD:5の源流

三菱の個性派ミニバン、デリカD:5が2025年12月に大幅改良を受け、2025年1月9日から販売を開始。つまりこの原稿を書いている時点では、新型モデルが発売されたばかり。デリカD:5は現行日本車で超のつくご長寿モデルで、東京モーターショー2005でコンセプトカーを公開後2007年1月に市販モデルの販売を開始して現在に至る。つまり、デリカD:5は2026年1月時点で丸19年となり、20年目に突入。

07年にデビューした時のデザインは今となっては懐かしい

2007年デビューながら、デザインは2019年にダイナミックシールド採用で劇的変化し、さらに2025年の改良でイメージは踏襲しながらも質感が大幅アップ。メカニズムではディーゼルエンジンは燃費性能の向上を果たし、4WDではついに三菱のお家芸である車両運動統合制御システムのS-AWCが採用され(2025年)、自慢のオフロード走破性に磨きがかけられた。設計の古いクルマの泣き所である安全装備も充実している。

つまりデリカD:5は型式こそデビュー時と同じながら、まったく別物へと進化。ただ長く作り続け販売されているのではなく、改良に改良を重ねていることが超ロングセラーモデルとなっている要因だ。

2025年12月の改良によりエクステリアの質感がアップ

デリカの車名はデリバリーカーに由来

デリカはデリバリーカー(Delivery Car)に由来する車名で、その5代目となることからデリカD:5を命名された。今回紹介するのは、デリカシリーズとして3代目、デリカスターワゴンの2代目だ。

初代デリカがデビューしたのは1968年。小型トラックの需要の増加に合わせてトラックモデルから産声を上げた。三菱から同じ年にデビューしたのはニューコルト。翌1969年にトラックをベースとした1BOXが登場。商用車のデリカバンに加えて乗用車デリカコーチを設定し、このデリカコーチが現代のデリカD:5につながる源流だ。しかし、このデリカコーチは初代の1975年には排ガス規制の絡みなどもあり生産終了となりラインナップ落ちし、多くのユーザーを悲しませた。

丸いヘッドライトがカワイイ初代デリカ

1BOXのRVとして地位を築いた

初代デリカは1979年に初のフルモデルチェンジを受け2代目登場となったが、待望の復活を遂げた乗用モデルはデリカスターワゴンと命名され、装いも新たに登場。ポイントは4WDの設定だ。三菱は1978年にジープで培った4WDを搭載したピックアップトラックのL200(フォルテ)を北米で販売開始。初代デリカスターワゴンにはそのパワートレーンが移植され、クロカン(今でいうSUV)のボディを架装したのが初代パジェロ(1982年)ということになる。

三菱の乗用車+4WDは1982年5月のパジェロ、10月にはデリカスターワゴンに設定と立て続けに登場し、三菱の4WDを大々的にアピール。トヨタタウンエース/ライトエース、日産バネット、マツダボンゴはそれぞれ商用車とそこから派生した乗用1BOXたちも4WDを設定してきたが、デリカスターワゴンはRVタイプの1BOXとして確固たる地位を築いた。特に大径タイヤを履いてハイリフトしたように見える出で立ちは独特だった。

2代目の乗用モデルがデリカスターワゴンと命名された

2代目デリカスターワゴンはデリカにあらず!?

今回紹介する2代目デリカスターワゴン(デリカシリーズでは3代目)は、初代のコンセプトを踏襲しつつ、より洗練されて1986年に登場。

角目4灯が精悍な2代目デリカスターワゴン

最大の変更点はプラットフォームにあり。初代デリカスターワゴンがフレームだったのに対し、2代目ではシャシーとボディが一体化したモノコックを新規で採用。当時も今もハードなオフロード走行をするにはフレームが必須という考えが強い。モノコックよりもフレーム構造のほうがタフで頑丈というイメージが強かったことに起因する。実際にトヨタランクル300&250、ランクル70、スズキジムニー&シエラが今でもフレーム構造にこだわっていることからも間違ってはいない。

そのため、マニアックなユーザーから、「モノコック化された2代目はデリカスターワゴンではない」、と酷評されることもあった。

いろいろなアイテムによりRVとしての利便性が向上
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モノコック化は4WD性能向上のため
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市原 信幸
市原 信幸

市原 信幸

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