ティモンディ前田裕太の“おとな”入門

ティモンディ前田裕太が「人と適切な距離を保つ」ために大切だと思うこと

ティモンディ前田裕太

「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げて始まった、「ティモンディ前田裕太の“おとな”入門」。自身の経験や見聞きしたエピソードから思考を広げてきた「コラム形式」から、次のステップへと進みます!その内容は、「お悩み相談」…

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「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げて始まった、「ティモンディ前田裕太の“おとな”入門」。自身の経験や見聞きしたエピソードから思考を広げてきた「コラム形式」から、次のステップへと進みます!
その内容は、「お悩み相談」です。これまで約1年半のコラム連載を通して、食・あそび・勉強・旅…と、様々なテーマで「(理想の)大人とは?」について考え、目指してきた (そしてこれからも目指していく)前田さん。その経験を生かした視点で、皆さんから寄せられたお悩み相談に答えていきますよ◎
第9回の今回は、あまりに連絡不精な友人に対するお悩みです。

[今回のお悩み]

「会おうと言ってくる割に連絡不精な後輩。他の人とは遊んでいるのを見ると、ないがしろにされている気分になります」

後輩との関係性に悩んでいます。

大学時代から仲のいい後輩がいるのですが、遊ぼう会おうと言ってくる割に、返信が全く返ってきません。多くて1ヶ月に1回、基本は2,3ヶ月に1回しか連絡が来ないので、予定を立てようにも立てられません。

元々マメではないタイプの子で、仕事が忙しいのも知っているので催促したり電話したりはしていませんが、私に返事を返さない間に友達や彼氏と遊んでいるのをSNSに上げているので、彼女にとって私は所詮その程度の“友だち”なんだ、と思ってしまいます。

気が合うし私は好きなので仲良くいたいと思っていましたが、ずっとこんな調子なので最近はもういいかなと考え始めました。私が短気過ぎるのでしょうか?

(鹿児島県・20代・女性・主婦)

自分と相手の「生きるペースの違い」を理解しよう

連絡のマメな人からしたら返信が遅い人間にはストレスを感じるでしょうね。

連絡の頻度に限らず、歩く速度も、ご飯を食べるスピードも、あまりに自分と差があると一緒にいてストレスを感じてしまうかもしれません。

何故そこに対してストレスを感じてしまうのかというと、それは、相談者さんと後輩の生きるペースに差があるからだと思います。

相談者さんが怒りっぽいのではなく、後輩と生きるペースの差が気になっているだけ。自分と異なる、自分の思ったペースで物事を進められないというのは精神的負荷がかかりますからね。

逆を言えば、後輩からしても、先輩である相談者さんのペースに合わせるのは、きっとストレスがあるでしょう。
お互い様っていう話ですわな。

この手の類いは、どちらか我慢してストレスを背負うか、両者が歩み寄って等しくストレスを分け持つしか道はない。

もう極論を言ってしまえば、感覚が合わない相手ならば一緒にいなければいいと言える。

しかし、残念ながらこの問題は自分と合う人を見つけるという手段は、根本的な解決とは言えない。その場のストレスを拭うための方法に過ぎないのだ。

というのも、人間は生きるペースというものが変わっていくんです。

例えば、仕事があまりにも忙しいとします。そうすると、プライベートな部分は大体の場合は疎かになりがちですよね。
活力を仕事に向けすぎている時間というのは、せめてプライベートはゆっくりしたい、と反動がくるんです。緩急が必要で、仕事で急いでいると、日ごろのプライベートが緩くなるんですよ。

そういう状況であるならば、連絡をこまめに返す相談者さんであっても、返信の頻度はどうしても遅くなるでしょう。

仕事の連絡を気を使って頻繁にしなければならないから、プライベートの連絡はたまの休日くらい、まあいいや、と思うのは人の常。ずっと気を使って連絡を公私ともにし続けていくのは疲れますからね。

つまり、誰だって連絡が遅くなる時期があるし、したくないタイミングだってある訳です。

この気持ちが分からないのであれば、きっと上手に仕事とプライベートのバランスが取れている人なのでしょう。

私は不器用なタイプの人間なので、この気持ちが非常によく分かります。熱量やエネルギーをバランスよく公私に配分できないんですよ。

心に余裕がある時は頻繁に返すことができるし、そういう時期もあります。物理的に会うのはいいけれど、携帯を頻繁に見て返信することができないくらい余裕がない時もある訳です。

そんな人間もいるんです。

そもそも連絡をこまめに取り合うのが苦手な人の可能性もあります。

人類、色々な人がいますからね。

そんな多種多様な価値観を持った人間がいて、色々な状況の人間がいるのだから、他人に自分の求める友達像を押し付けないことが大切になってきます。

自分自身だって、友達の求める理想の友達で常にいられる訳がないですからね。

今は、相手の生きるペースと自分の生きるペースが違うのだな、と理解を示してあげることが大事なのかもしれません。

人間関係とは“不本意”なもの

けれど、SNSを見ていたら、そんな連絡のない友達が、他の友達と遊んでいて充実している写真をあげていることもあるでしょう。

友達にも友達の人生がありますからね。

それを見た時に「あれ、全然私には返信ないのに他の人と遊んでるじゃん」と軽んじられているように感じて怒りを覚えるんですかね。

そのように、蔑ろにされているように感じて、それに対して怒りを感じているのならば、良くないですね。

自分の身の振る舞い方は自分で決めるように、その友達が誰とどう遊ぶか、誰と親身になるかは本人が決めることですから。

不本意でしょうけどね。誰かと関わるのに、不本意なんて大前提。

あるがままの心で生きるのは難しいんです。

連絡をマメにして欲しい、相手の中で大切にしてもらえる立ち位置でいたい、そしてそれを相手に求めるというのは自分のエゴであって、他人に期待をするのは、自分がしんどい思いをするだけ。

相手に求めない。執着しない。

連絡が少ないのであれば、その後輩とどこかへ行く選択をしなければいいだけで、少ない連絡しかできない人に対しての付き合い方はできるはずです。

それでもモヤモヤする場合は、手を打たなければなりません。大人であれば、自分の機嫌は自分で取らないといけませんからね。

選択肢を増やして余裕を持とう

では、どういう手を打てばいいか。

根本的な解決に手をつけたいのであれば、自分も多くの友達を作る努力をすることです。

人間関係を新しく構築するのは、エネルギーの必要なことで面倒な部分も多くあります。気を使いますしね。

けれど、今の周囲に思うことがあるのであれば、別のコミュニティに顔を出してみて、他にも色々な価値観を持つ人間に会うことが一番。

“選択肢を増やす”という行為は、大体の悩みを解決してくれる手段ですからね。

誰かを遊びに誘う時に、声をかける相手の選択肢が少ないから、1人に対して要求も多くなる訳です。

今の友達を遊びに誘う時も、沢山いる友達の中から「返信が遅くても、この人と遊びたい」という理由で声をかけるのと「仲が良い人が少ないからこの中で」という理由とでは、相談者さんの内心では大きな違いがありますからね。

選択肢を増やすと、今の付き合いを続けたとしても許容する心ができる訳です。別に他にもいるし、という余裕がそうさせるんでしょう。

新しく習い事をしてみたり。自分の趣味に関する集まりだったりに顔を出してみるのもいいかもしれません。友達を増やす努力というのは本当に面倒だけれど、結果として相手に対して寛容になれる訳ですから。

友達に連絡をマメにするよう求めるよりも、自分が変わるほうが早いし楽。

私も、相談者さんも、読者諸兄姉も、みんな何かしら歪んでいる部分がある訳です。その歪みに寛容になっていけたら、どんな人とも楽しく適切な距離で接することができるでしょう。

担当編集者からのひとこと

私には、中学からの親友がいます。服や音楽の好みも、恋愛観も趣味も何もかも合わないのですが、なぜか仲が良く、何が起きても、相手のことを嫌いになったり、関係が切れてしまうことはないだろう、とお互いが思えている、貴重な存在です。

そして、「親しき中にも礼儀あり」という言葉が当てはまらない唯一の友人でもあります。お互い軽度の連絡不精で、他の人の連絡には返事をしているのに、お互いの返信は後回し、ということはしょっちゅうです。

つまり、私たちはお互いに、相手に甘えているのです。何日返信が空こうが、「ちょっと返事するくらいの時間あったよね?」と責める気持ちをお互いが持たないことを重々承知しているので、お互いへの返信は優先順位が最下位なのです。もちろんお互いに相手を軽んじているわけではなく、むしろ、連絡先を知っている人の中で1,2を争うくらい大切です。

連絡が返ってこない人には、前田さんがおっしゃるように、マメな連絡が大の苦手であったり、仕事が忙しいとプライベートの連絡をする気力も起きなくなったり、そういった事情があるパターンも多いと思います。

ただ、私とその親友のように、「これくらいなら相手は許してくれる」「こんなことで嫌われたりはしないはず」という、仲が良いがゆえの“甘え”の表れかも、と思えたら、少し気楽になるかもしれませんね。

前田さんへの相談大募集!

お悩み相談は、下記「おとなの週末Webお問い合わせフォーム」からお送りください。真剣な相談、ちょっとしたお悩み、前田さん聞いてみたいこと、などなど…。皆さんからのご応募、お待ちしております!

ご応募はこちらから!https://otonano-shumatsu.com/contact

「お名前(本名でなくても構いません)」「メールアドレス」を所定の欄にご入力いただき、「お問い合わせ内容」欄の冒頭に「おとな入門 相談応募」と明記いただいたうえで、「ご相談内容」と、「住所(都道府県名)・年代・性別・ご職業」をご記入ください(例:東京都・20代・女性・会社員)。掲載は匿名です。 また、年代・性別・ご職業の情報は、掲載された際に、読者の方がお悩みをより具体的にイメージできるように、ご記入をお願いするものです。必ずしもご記入いただかなくても問題ございません。

前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。

ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約28万人。

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