旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:ふぐ
難易度:★★☆☆☆
食べられる部位はごくわずか
「河豚は食いたし命は惜しし」という諺があるように、ふぐはテトロドトキシンという命を奪うほどの猛毒を持つにもかかわらず、古くから美食家たちを魅了し続けている魚です。
ふぐはフグ目フグ科に属する魚で、100以上の種が確認されています。ただし、食用できるとされているものは22種類のみ。さらに食用可能な部位は「身(筋肉)」「皮」「白子(精巣)」に限られます。ただし、皮や白子に毒がある種もあり、身以外は食べることが禁じられている種もあります。
たとえば、ふぐの王様と称される「とらふぐ」は身も皮も白子も可食部とされていますが、価格が安い「くさふぐ」は身以外は食べることができません。
ふぐは「ふぐ調理師免許」を持った人以外は調理していけないことになっています。また、肝や卵巣などの毒性の強い部分は、さばいた後に箱に入れてカギをかけて厳重に保管しなくてはなりません。
近年の研究で、毒を持った餌を食べることでふぐの体内に毒が蓄積されることが判明。そのため、養殖のふぐであれば肝や卵巣も食べられると勘違いしている人も多いようですが、それは大変危険なことで、養殖であっても絶対に食べてはいけません。
一般的にふぐの旬は「秋の彼岸から春の彼岸まで」といわれるとおり、11月~3月頃。旬の時期には身がしまって旨味が増します。
ただし、これは天然ものの話で、養殖ものに関しては1年を通じて身質や旨味に差は生じないといわれています。
コリコリの身の美味しさはもちろんですが、クリーミーでまろやかな味わいの白子は絶品。こちらは産卵期前1月頃~3月頃が濃厚になるといわれています。
ふぐはひれまで美味。こんがりと焼いたひれを熱燗にした日本酒に入れて楽しむ「ひれ酒」はふぐの別の楽しみ方として知られています。