旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:根わさび
難易度:★★★☆☆
すりたてを食すべし!
独特の鼻にツーンとくる辛味を持ち、刺身やお寿司に欠かせないわさび。古来、日本では薬味として利用されてきた食材です。気温が下がり始める晩秋頃からが旬となります。正確にいうと、秋以降に旬になるのは根わさびで、葉わさびの旬は5月前後です。
ただし、葉わさびも根わさびも同じわさびで、葉わさびは葉や茎、根わさびは根っこの部分です。
実は、根わさびは通年収穫することができますが、寒くなってから収穫された根わさびは辛さが増し、旬以外の時期、とくに夏場に収穫されたものは辛さがマイルドになります。
日本原産の多年生の水生植物で山間の涼しい谷川に自生しています。流通しているものは栽培ものが多く、天然ものはかなり希少で高価なものとなっています。
ただし、栽培ものが安価というと、そうではありません。その理由は、水質、水温、土壌など、栽培できる場所の条件が厳しいことと、収穫できるまでの日数や手間がかかるためです。
天然の根わさびはすりおろして食べられるようになるまでには5年もの年月を要します。栽培の根わさびも出荷できるようになるまで1年半から2年もかかります。ちなみに、天然ものは辛さが栽培ものよりまろやかであることが特徴です。
「畑わさび」や「陸わさび」と呼ばれる、畑で栽培されるわさびもありますが、こちらの場合はおもに葉や茎を食べるために栽培されます。
畑わさびに対して、根わさびの場合は「沢わさび」と呼ばれることもあります。
根わさびの辛味や風味はすりおろした瞬間から失われています。とくに、辛み成分は揮発性のため、あっという間に刺激が失われています。根わさびの辛味が唐辛子のように口に残らないのは、揮発性のためなのです。そのため、食べるぶんだけすりおろして食べることをおすすめします。
また、なめらかに細かくすりおろすほど香りや辛味を強く感じられるため、目の細かいおろし器、または、サメの皮で作ったおろし器を使用しましょう。