町寿司の心意気が詰まった至高のマグロを堪能『真寿司』@千石
マグロファーストな寿司屋である。なんてったって、おまかせ握りの最初に赤身、中トロ、大トロの3貫が出てくるのだ。味の良さを伝えるため一番に食べてもらうのだそう。そのマグロを頬張ると大海を泳いでいた頃の活きが伝わってくるような力強い味わいで、後からなめらかさとコクが広がる。
おまかせ12貫 6600円の一部
なんでこんなにおいしいの!?と店主に聞くと、「できる仕事をしているだけ」とさらりと言う。が、たとえば中トロは筋がない背の真ん中を買い、カットの仕方や大きさ、寝かせ方などに仕事が光る。仕入れ値的にも仕事量的にもコストがかかっている。それがこの値段なのは、旨いと思ってもらうことを何より優先しているから。町寿司の心意気、食べて知るべし。
[住所]東京都文京区千石4-39-9
[電話]03-6902-2917
[営業時間]17時~21時(20時半LO)
[休日]水
[交通]都営三田線千石駅A4出口から徒歩3分
帰り際の心地いい余韻を作るのは店主の魚愛『紋寿司』@幡ヶ谷
いい店ってお客の雰囲気でわかるものだ。ちょっと珍しい日本酒も取り揃える同店では、まず刺身や焼き物をつまみながら飲み始めて、握りを食べるのがお決まりのコース。と言っても握りは1貫から注文できて、しかも高級店顔負けのいい魚が揃っている。「魚に愛情が伝わるから」と話す店主は注文による仕入れはせず、市場を歩き回ってベストな魚を探す。
おまかせ10貫と巻物 4400円
弾力ある淡路島産のアジからとろりと甘い本マグロの脳天、引き締まった身に脂が乗った迷いガツオまで、食べるとつい「おいしい」が口をつく。と、この独り言に反応した他のお客と目があってお互い笑顔で会釈する。そんな触れ合いにも心をほぐされ、ああいい店だったなあと思いながら帰るのだ。
[住所]東京都渋谷区幡ケ谷2-12-17
[電話]03-3377-8308
[営業時間]17時~23時
[休日]木
[交通]京王新線幡ヶ谷駅北口より徒歩1分
撮影/西崎進也(蛇の目鮨、おすし磯部、真寿司、鮨すえひろ)、鵜澤昭彦(まる)、貝塚隆(健寿司、紋寿司)、取材/菜々山いく子(蛇の目鮨、おすし磯部、鮨すえひろ、健寿司、まる)、藤沢緑彩(真寿司、紋寿司)
※2023年11月号発売時点の情報です。
※各店舗のネタやコースの内容は季節や仕入れで、変わることがあります
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。