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温泉卵に湯上りビール、ぷはっの幸せ

塩原温泉は1200年以上の歴史を持ち、約150の源泉があるという。街じゅう「湯だらけ」で手の温泉『指湯』まである。『湯っ歩の里』は、足湯の回廊がある施設。

『湯っ歩の里』足湯ウォークで健康に

湯の底に敷き詰められた石の種類によって、「やんわりほんわか ここちよい道」「ふみふみ ふみしめる道」などがあり、なんだか楽しい。「ぐりぐりせめる道」を歩けば、痛いぞ。とても痛い。けれど、だんだんイタ気持ちよくなり、体もほっかほっかだ。締めは、敷地内にある「飲泉堂」へ。ここでもぐびっと「飲泉」。

『湯っ歩の里』足湯の後は飲泉堂へ

飲泉と運動のおかげかお腹が鳴った。というわけで、温泉街の『遊蕎』へ。生ゆばを蕎麦に絡めて食べる「ゆばとろそば」は、十割蕎麦のふくよかな風味が、ゆばの食感とよく合って美味だった。

『そば処 遊蕎』東力士 冷酒300ml 1100円 ゆばとろそば 1270円(十割田舎蕎麦)

『そば処 遊蕎』(奥)東力士 冷酒300ml 1100円 (手前)ゆばとろそば 1270円(十割田舎蕎麦) 生ゆばに、風味豊かな蕎麦が絡み、何ともいえない旨さ。蕎麦は十割、二八、レモン蕎麦から選べる

翌日は、新湯地区へ向かう。岩肌からは今も水蒸気が吹き出し、硫黄臭が漂う、これぞ秘湯の風情だ。その中にぽつんと共同浴場『中の湯』がある。脱衣場とこぢんまりとした湯船の素朴な浴場。何人もの湯治客が浸かってきたに違いない。なめらかな乳白色の湯が心地よかった。

『中の湯』新湯地区にある2つの共同浴場

『中の湯』近くの『湯荘白樺』では「温泉卵」を発見。勢いよく噴き出す、あの源泉の熱で茹で上げられたという。それはいただきたい。買うと、ご主人が塩と醤油、器を出してくれた。むむ、ここはビールがほしい。缶ビールも購入し、コツンと殻を割った。

とろとろ白身の中から現れる黄身は美しく、味がとても濃い。あまりのおいしさに、「これは普通の卵ですか?」と聞いてしまった。「地元の卵を届けてもらってます」とご主人。地元産の新鮮な卵に温泉の力が加わり、こんなにもおいしくなるのだ。

『湯荘白樺』温泉卵 6個550円 夏7~8分、冬10分程度源泉に浸してつくる温泉卵

温泉に浸かって、温泉卵を食べ、ビールをぷはっ。なんという幸せ。温泉街に戻ると、「温泉で蒸した鰻」なるものを発見。その店『旭亭』は、聞けば65年の歴史を持つという。「その前は、芸者置屋を営んでいたんです」と店の方が教えてくれる。温泉街に、毎晩華やかな宴会があった時代だろう。

『旭亭』白焼 3800円、うな重 4000円

『旭亭』白焼 3800円、うな重 4000円 創業65年の老舗

温泉で蒸してから焼き上げるうなぎはふわっとしすぎず、絶妙な食感。代々継ぎ足しているという、コクのあるタレがうなぎとご飯によく絡む。大地の力が多彩な温泉を生む、自然の不思議。私たちは、その不思議から、こんなに幸せをいただいている。

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おとなの週末Web編集部
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