『豊洲 千客万来』誕生から1カ月 魚・酒・温泉…江戸風情満載の東京の新名所に行ってみた!注目グルメから期間限定の殺陣体験まで

2024年2月1日開業の商業施設『豊洲 千客万来』

東京の台所・豊洲市場に隣接する注目の商業施設がオープンした。2024年2月1日から営業が始まったのは、食楽棟『豊洲場外 江戸前市場』と、温浴棟『東京豊洲 万葉倶楽部』から構成される商業施設『豊洲 千客万来』。80年以上に…

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東京の台所・豊洲市場に隣接する注目の商業施設がオープンした。2024年2月1日から営業が始まったのは、食楽棟『豊洲場外 江戸前市場』と、温浴棟『東京豊洲 万葉倶楽部』から構成される商業施設『豊洲 千客万来』。80年以上にわたり東京の食を支え、平成30(2018)年に閉場した築地市場のにぎわいを継承しつつ、豊洲市場本体と連携し食材を提供する同施設は、開業早々から老若男女が集う活気のある観光スポットとなっている。「うまさの聖地」がコンセプトの新たな食の拠点の見どころをお届けしたい。

年間260万人を見込む話題のスポット

オープン日から1カ月弱経過した2月末に現地に訪れたが、20代から80代ぐらいまでの多世代の男女が一同に会し、平日の昼間でも休日に訪れているのかと勘違いするほど激混みであった。飲食店は10人以上の行列をなす店も少なくなく、温泉棟「東京豊洲 万葉倶楽部」の高層階にいたっては、さらなる大行列が待っていた。

飲食店など約50店舗で営業を始め、4月までには60店舗以上になるという。年間260万人の来客を見込んでいるそうだが、インバウンドの客足も少なくなく、まさに今最も話題の観光スポットと言えるだろう。

食楽棟は3部構成!各フロアの特徴を解説

施設を巡る前に把握しておきたいのがフロア構成だ。食楽棟『豊洲場外 江戸前市場』は3つのエリアに分かれており、1階の「豊洲江戸前通り」には気軽に食べられるグルメが充実、2階には江戸時代の街並みを再現した「豊洲目抜き大通り」と市場の活気が感じられる「目利き横丁」があり、多様な店舗が展開されている。

足を運びやすい1階の「豊洲江戸前通り」

3階の「フードコート よりどり町屋」は市場隣接の立地を活かし、海鮮を使用した丼や寿司店などが集結しているところが特徴的。温浴棟『東京豊洲 万葉倶楽部』は、東京湾を望むことのできる露天風呂や、ウォーターフロントを一望できる「展望足湯庭園」などがあり、こちらも見逃せない。

「豊洲江戸前通り」でランチに足を運ぶべき店とは


腹ごしらえにおすすめしたいのは、気負わず入れる1階の「豊洲江戸前通り」だ。このエリアを訪れたら食べておきたいのが、油・スープ・具材すべてにまぐろを使用した、『本まぐろそば ●(魚編に骨)こつ』の「本まぐろそば」(980円)である。

旨みが凝縮された「本まぐろそば」

本まぐろの骨を強火で煮詰めてとった出汁は、濃厚で旨みたっぷり。ガツンと力強い味わいのスープに絡み合うのは、胚芽をブレンドした中太の自家製麺だ。

香りの決め手になる香味油には、まぐろのヒレ肉を使用している


「チャーシューの代わりに添えられた煮まぐろは、頬肉をヅケにしてから低温調理し、直前に炙ることで、肉のようなやわらかい食感と香ばしさを引き出しています」と、店を担う株式会社ドリームフーズ部長の須田一紀さん。麺の上に添えられたサクサクの五色あられも程よいアクセントとなっている。


『本まぐろそば ●(魚編に骨)こつ』
[場所]食楽棟1階「豊洲江戸前通り」
[営業時間]10時~22時 (LO21時)

プロの役者が伝授、期間限定のドキドキ殺陣体験!!

お腹が満たされたら、2024年2月1日(木)~ 3月31日(日)の期間限定で開かれている「劇団グスタフ」(東京都狛江市)主催の殺陣体験『不動夢幻流 神風錬道場』にぜひ足を運んでみてほしい。ここでは、プロの役者による指導の元、殺陣体験が楽しめる。

殺陣体験『不動夢幻流 神風錬道場』

気軽に体験できるのは、60分の「侍コース」(16歳以上1名につき1万5000円)だ。抜刃から基本の構え、刃の振り方、納刀までを学ぶことができる。

「真剣と同じ重さの模造刀を使い、打ち合いができるのはこの場所ならではです。ドラマの時代劇などで使う太刀は、実はもっと軽いものなんですよ」と、同劇団代表取締役で演出家・殺陣師の抱(かかえ)晴彦さん。

プロの打ち合いは、臨場感満載

プロの格闘シーンを鑑賞した後は、師範代相手に打ち合いを楽しもう。時代劇好きにはたまらない体験になるはずだ。

『殺陣体験「不動夢幻流 神風錬道場」』
[場所]1階お祭り広場奥(バス駐車場脇)
[開催日時]2024年2月1日(木)~ 3月31日(日)開催予定(毎週水曜日は定休日)
[営業時間]9時~10時30分、11時~12時30分、13時~14時30分、15時~16時30分

“ミシュラン星付きの仕掛人”が手がける「海鮮おむすび」

ひと汗かいたら、2階の「豊洲目抜き大通り」へ。この階でちょい飲みにトライしてみてほしいのが『米三角』である。同店では、日本酒のポテンシャルを高める銀飯・発酵・熟成をテーマにした、米三品の酒菜と酒のペアリングが楽しめる。

モダンなのれんが目を引く『米三角』の外観/画像提供:『米三角』

メニューはミシュラン星付きホテルレストランプロデューサーによる、粋なアレンジを利かせたラインナップ。日本酒は全国のスタンダードなものから希少価値の高い酒まで揃う。

必食なのは、「【銀飯】本日のこぼれ海鮮おむすび」(976円)だ。枡の中にはおにぎりが潜み、上にはマグロ・いくら・蟹など、溢れんばかりの海鮮と海苔が豪快に盛られ、食べる前から胸が高鳴る。

看板メニューの「【銀飯】本日のこぼれ海鮮おむすび」

海鮮は仕入れによって変わるが、豊洲市場仲買人や産地直送品含め、その日仕入れた新鮮な魚介。白身は麹ぽん酢、赤身は麹醤油と合わせていただけば、酒もしこたま進む。

プレミア酒をオーダーした場合は、今だけ江戸切子や陶芸家作品などの高級酒器で酒を堪能できるところも魅力的だ。

店内には個性豊かな酒器が並ぶ

『米三角』
[場所]温浴棟2階
[営業時間]10時〜22時

セルフスタイルの“日本酒天国”で5種飲み比べ

はしご酒で利用したいのは、同じ階の『豊洲のみよし』だ。2000円で5杯の日本酒を利き酒でき、酒好きなら好奇心をくすぐられること間違いなし。約30種の全国の日本酒を常備しているので、お気にいりが見つかるに違いない。

「豊洲のみよし」の日本酒サーバー

面白いのは、カプセルトイの機械に現金を入れるところからスタートする点だ。カプセルの中にはお猪口とコイン5枚(当たりカプセルには7枚)が入っており、コイン1枚でお猪口1杯分ずつ酒を購入することができる。

カプセルトイの中身

当日、店に訪れていた50代の女性客に感想を聞いてみると、「日本酒の味と、どのエリアの酒か一緒に書かれた酒マップが店内に貼ってあるので、初心者でも酒が選びやすくて嬉しい」と語っていた。

お猪口は持ち帰りできる

『豊洲のみよし』
[場所]食楽棟2階「豊洲目抜き大通り」
[営業時間]10時〜18時

和カフェで写真映えするお城型もなかを満喫

その後は、隣接した和カフェ『豊洲ふくらすずめ』へ。店名にはふくらすずめのようにふっくらとお腹も心も満たしてほしいという願いが込められている。

「豊洲ふくらすずめ」の外観


いちおしは、「ごまあんとクリームチーズのお城もなか」(単品700円、ドリンクセット1200円)。甘じょっぱいあんに、濃厚なクリームチーズが絶妙にマッチ。軽やかなもなかと、ザクザクとしたくるみが、なめらかなチーズやあんの食感を引き立てる。

写真映えする「ごまあんとクリームチーズのお城もなか」と「抹茶ラテ」

静岡県産の「天空の抹茶」を使用した「抹茶ラテ」(600円)も和スイーツとぴったりだ。

『豊洲ふくらすずめ』
[場所]食楽棟2階「豊洲目抜き大通り」
[営業時間]10時〜18時(LO17時30分)

“日本の良いもの”が集まる店で手土産選び

同じエリアには、江戸時代から現在までの日本の良いものを揃えた、和モダンな雰囲気の手土産屋『豊洲えんぎもの』がある。

美濃焼きのマグネット(600円)

店内には、雷おこしや金つばなどの食品はもちろん、器や手ぬぐいをはじめとする雑貨、浮世絵がモチーフのポストカードまで、和を感じる商品がずらりと並ぶ。新名所の手土産選びに、立ち寄っておいて損はないだろう。

色とりどりの「手ぬぐい」(1100円~)

『豊洲えんぎもの』
[場所]食楽棟2階「豊洲目抜き大通り」
[営業時間]10時〜18時

空と海、東京の非日常を足湯で満喫

ひと休みしたくなったら、『千客万来足湯庭園』へ。レインボーブリッジや東京湾なども見える8階の『千客万来足湯庭園』は、なんと無料(その他のエリアは有料)で入れる。

『千客万来足湯庭園』/写真提供:『豊洲 千客万来』

訪れていたゲストの中には、「この景色を見る為に此処に来ました」(80代・女性)とコメントする人もいたほどだ。都心の絶景を望みつつ足湯に浸かり、癒しのひとときを過ごそう。

『千客万来足湯庭園』
[場所]温浴棟8階
[営業時間]10時〜20時 ※時期により変更になる場合あり

「目利き横丁」は“食べ歩きおでん”でフィニッシュ

最後は食べ歩きメニューが充実した2階の「目利き横丁」へ。東京下町のおでん種屋が70年余培った知識と経験を注ぎこんだ、『豊洲 金ぷら』の「汐おでん」(500円)をつまんで、締めくくり。

コスパ抜群の「汐おでん」

店舗は手前がテイクアウト、奥がイートインのカウンター席となっているが、今回はテイクアウトを利用。海鮮出汁で炊いたおでんは、魚介の旨みたっぷりで何とも味わい深い。蛸や帆立など5品で500円と、開店記念セール価格で、満足感を味わえる点も魅力的だ。

『豊洲 金ぷら』
[場所]食楽棟2階「目利き横丁」
[営業時間]10時〜22時(LO21時)

美食と温泉を余すことなく堪能できる新拠点へ

「千客万来」は客が入れかわり立ちかわり来て、絶え間がないという意味を持つが、平日の昼間も人が絶えない状況であった。

上から見た「豊洲 千客万来」

まさに今最も話題の観光スポット。訪れる際は、非常に混みあうので事前に行きたい店をリサーチしてから足を運ぶのがおすすめだ。

『豊洲 千客万来』
[住所]東京都江東区豊洲6丁目5番1号
[電話]03-3533-1515
[休日] なし
[営業時間]店舗によって異なる為、公式ホームページを要確認
[交通]ゆりかもめ「市場前駅」から徒歩4分、東京BRT 「豊洲市場前」から徒歩3分

文・写真/中村友美

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