「たこ焼き」「醤油らーめん」「フライドポテト」「今川焼」を実食! ということで、「ポッポ」未体験の編集部員と一緒に東久留米店へ。実は上記TVオンエア後、たまたま近くに来る用事があり、ポテトフライを食べにきた店舗だ。 ふた…
画像ギャラリーイトーヨーカドーが30店舗以上を閉店するというニュースに触れ、ふと思うのは「『ポッポ』が好きだったなぁ」ということ。「ポッポ」とはイトーヨーカドー内にあるファストフード店のこと。ラーメンや焼きそばといった麺類、ポテトフライやドリンク、スイーツなどを置いている。日本各地で現在35店舗を展開中だ。「ポッポ」未経験のおとなの週末Web編集部員と共に今を探った。
コスパも魅力のファストフードショップ「ポッポ」
突然の自分語りで恐縮だが、私・ライター市村が生まれ育ったのは、東京都江戸川区の小岩。JR総武線小岩駅前にある「イトーヨーカドー小岩店」には、平成の一時期までだったと思うが、小さな屋上遊園地があった。小学校の友だちと一緒にドーム状のエアー遊具やゲームなどで遊んだら、「ポッポ」で今川焼きやポテトを食べて、なんていうのはたまの贅沢な時間だった。地元・小岩店の「ポッポ」もいつの間にか無くなっており、現在の生活圏内にイトーヨーカドーは無いため、存在そのものを忘れていた。
しかし、久しぶりにその名前を聞いたのは、2020年1月に放送されたTBS系バラエティー番組『マツコの知らない世界』の「チェーン店フライドポテトの世界」。プレゼンターの方が「ポッポ」のフライドポテトを激推しされていて、ノスタルジーに浸っていたのだった。
「ランチはほぼ毎日『ポッポ』」
そんな「ポッポ」だが、時折思い出して、「今は一部のイトーヨーカドーのフードコートに入ってるんだけど知ってる?」と周囲の友人たちに聞いては、「懐かしい!」「好きだった!」という声が意外と多くの人から上がっていた。
中でも驚いたのは、東京都江東区の東京メトロ東西線木場駅に勤務する知り合いは、なんと「ランチはほぼ毎日、『ポッポ』に行っている」と言う。確かに木場駅のほど近くにはイトーヨーカドー木場店がある。
毎日行くほど惹きつけているとは、とても気になる!
「『ポッポ』に行ったことがない」と話す編集部員と共に、東久留米店(東京都東久留米市)へ向かった。
「たこ焼き」「醤油らーめん」「フライドポテト」「今川焼」を実食!
ということで、「ポッポ」未体験の編集部員と一緒に東久留米店へ。実は上記TVオンエア後、たまたま近くに来る用事があり、ポテトフライを食べにきた店舗だ。
ふたりでシェアしながら食べたメニューと感想は以下の通り。
●たこ焼き(ソース・8個、550円)
・大ぶりのタコはぷりぷり
・生地が美味しく、ダシがきいている
・熱々で中がとろとろ
こういうフードコートなどで出されるたこ焼きって、ひっくり返す手間が省ける釣鐘型が多いような気がするのだが、「ポッポ」のたこ焼きはまん丸でちゃんと焼かれているのがうれしい。
●醤油らーめん(520円)
・スープはすっきりとしつつも旨みと醤油の甘みを感じる
・麺はコシと弾力があって魅力的な食感
・ボリュームがある
鶏など肉系と煮干しやカツオなどの魚介を感じるスープが風味豊かで旨い。いかにもなジャンクっぽさが少ないところも好印象。ヘタなチェーン店やラーメン屋さんに行くより、「こっちのほうが好き!」と思った。
ちなみに先に書いた知り合いは、毎日「味噌らーめん」(580円)を食べているのだそう。北海道産の赤味噌と白味噌を絶妙な比率で配合し、隠し味に胡麻をブレンドしたスープなんだとか。
確かに今時、ランチで600円以内ってリーズナブルだわ。
●フライドポテト(M・190円)
・ホクホク感がある
・塩味がやさしめでちゃんとじゃがいもの味がする
・油のキレがよくスッキリとしている
フライドポテトの好みは“細い派”だと言う編集部員だが、このフライドポテトもいたく気に入っていた。確かに絶妙な太さで、細め・太め両方のいいとこ取りのホクホクさがある。特に魅力だと思ったのが、きれいな油を使っているのか、油っこさが無いところだ。
●今川焼(あずき)120円
・ふわふわでやさしい口当たりの生地
・しっかりとあんこが詰まっている
・あんこが甘さ控えめなので食べやすい
生地はふわもち食感でやさしい口当たり。あんこのほどよい甘さも、生地とのバランスがいい。食べていてやさしい気持ちになった。ボリューム感もきちんとあるので、牛乳と一緒に朝ごはんとしていただいてもよさそう。
「美味しい、コスパがいい、近くに欲しい」
編集部員は「美味しい、コスパがいい、近くに欲しい」を連呼。確かに、普段はファストフードを食べない私も、家の近所にあったら結構通っちゃうだろうクオリティだ。
他のファストフード店やコンビニに行くより断然いいのではと感じた。ヨーカドーの中だから買い物の間にひと休みという使い方もできる。
なお、季節限定メニューとして「冷やし中華」650円)と「かき氷」(200円)、「かき氷フラッペ」(350円)が始まっていた。
こういう季節限定メニューがいろいろあるのも、飽きさせない企業努力が感じられてとっても素敵だ。
「ポッポ」の未来予想図とは
先に触れた通り、セブン&アイ・ホールディングスは2023年3月、イトーヨーカドーの首都圏への集中を掲げ、3年間で32店減らす方針を発表。2024年8月閉店予定の青森店と10月閉店予定の弘前店(いずれも青森県)の「ポッポ」では、クレープ(青森店は一部)やクレープを使ったサンデー(弘前店のみ)を展開している。
実はこの「クレープ」、3月12日に閉店した南松本店(長野県)の3店舗のみで提供していたもの。青森の「ポッポ」が無くなってしまったら、もう2度と食べられない可能性が高い絶滅危惧種のメニューだ。
さらに「焼きもち」(120円〜)は弘前店、石巻あけぼの店(宮城県・2025年3月頃閉店)、八戸沼館店(青森県・2024年8月頃閉店)、竜ケ崎店(茨城県)の限定メニューだ。竜ケ崎店以外のイトーヨーカドー店舗は閉店するとされている。
青森在住の友人からは閉店のニュースが出た後、県内の「ポッポ」はしばらく混雑していたと聞いた。5月6日に福島県内唯一だった福島店は閉店。長蛇の列でポテトフライなどは早々に売り切れてしまったらしい。
ある日訪れた木場店は大手ファストフード店などが軒並み入るなか、「ポッポ」は引けを取らないほど並んでおり、なかなかの人気店。
行けるエリアの「ポッポ」ないしイトーヨーカドーの継続を願うべく、これからは通いつつ、夏までには青森への旅行の計画を立てたいと考えている。
文・写真/市村幸妙
いちむら・ゆきえ。フリーランスのライター・編集者。地元・東京の農家さんとコミュニケーションを取ったり、手前味噌作りを友人たちと毎年共に行ったり、野菜類と発酵食品をこよなく愛する。中学受験業界にも強い雑食系。バンドの推し活も熱心にしている。落語家の夫と二人暮らし。