“ワインの角打ち”が人気 気軽に「飲めて買える」オススメ6軒

ちょいと飲んだ帰りに気に入りのお酒も買ってと、角打ちは楽しい!昔ながらの渋い酒屋はもちろん、最近では多種多様なジャンルの店も登場してきて、ますますの盛り上がり。ここ数年増えてきているのがワインの角打ち。気軽にワインを一杯、週末の晩酌用にボトルを一本など使い方はさまざま。“飲めて買える”個性派店をご紹介!

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ちょいと飲んだ帰りに気に入りのお酒も買ってと、角打ちは楽しい!昔ながらの渋い酒屋はもちろん、最近では多種多様なジャンルの店も登場してきて、ますますの盛り上がり。ここ数年増えてきているのがワインの角打ち。気軽にワインを一杯、週末の晩酌用にボトルを一本など使い方はさまざま。“飲めて買える”個性派店をご紹介!

『Cave de Mimi』 @初台

店主の人柄が醸すゆるやかなワインスタンド

優しくてするする飲める。店主・岡田さんが注いでくれたワインの第一印象はこれ。扱っているのはナチュラルワインだが、個性的というより飲むほどに心地いいワインが揃っている印象だ。

以前の職場ではナチュラルワインを広めるために、あえてクセのあるワインも紹介していたという。でも、「今の店を始める前にブランクがあって、その間にこうじゃなくちゃ、みたいなものが抜けていって、きれいなワインが残ったというか」と柔らかな声で語る。

グラスワイン 770円~

『Cave de Mimi』グラスワイン 770円~ コンパクトな店内は6~7人も入ればいっぱい。レコードジャケットや映画のポスター、そのまま残した古い配電盤など、空間を彩る小物がいい味を出している

岡田さんの接客は肩の力が抜けて穏やか。その空気に引き込まれ、ワイン談義を超えて話題はあちこちスパークすることも。「うちの店って3時間選手、5時間選手もザラなんです」と苦笑するのもよくわかる。

くつろげるから知らない者同士、気づけば言葉を交わしていたりする。これぞ岡田マジック。

八百屋や肉屋がある古いマーケットの一角という立地も最高で、夕食の買い物がてらワインを一杯なんて、まるで外国の市場みたいでかっこいいのだ。

『Cave de Mimi』

[住所]東京都渋谷区初台1‐7-5 初台スーパー百貨店1階
[電話]なし
[営業時間]13時~20時、火・水14時~
[休日]日・祝、不定休あり
[交通]京王新線初台駅南口から徒歩3分

『wineshop lulu』 @学芸大学

物語のあるナチュラルワインと出合える一軒

にぎやかな学芸大学の駅前から店のある静かな通りに出ると、開け放たれた扉が“誰でもウェルカム”なムードを醸し出している。

セラーは奥に配置され店内はワインバーのような落ちついた佇まい。カウンターに立つのはワインを愛してやまない店主の江本さん。

ワイン商社やインポーター、ワイナリーで働いた経験もあり、暇さえあれば海外のワイナリーを訪ね歩いたというツワモノである。インポーターになろうと考えた時期もあったそうだが、「ワインに込められた造り手の想いを直接飲み手に伝えたくて」今のスタイルに。

グラスワイン 1000円~

『wineshop lulu』グラスワイン 1000円~ グラスは常時10種類前後開けている。ボトルの抜栓料は2500円

扱うのはナチュラルワイン、これまでに出会った生産者や自分が飲んでおいしいと思うものを中心に揃えているという。前職を辞めてから1か月半ほどヨーロッパのワイナリーを回ったそうで、その旅の話も興味深い。

「実際に見たことや感じたことを伝えられたら」と江本さん。初めて飲むワインでもその物語を知ればより親しみやすくなる。そんなワインとの出会いがここにはある。

『wineshop lulu』パリで気に入ったワインバーのイメージを取り入れたというカウンター。暗めの照明や経年を感じさせる壁のニュアンスがかっこいい

[住所]東京都目黒区鷹番3-18-3 ヒルズK1階
[電話]非掲載
[営業時間]15時~22時、日12時~18時
[休日]月
[交通]東急東横線学芸大学駅から徒歩3分

『NUPURI』 @三軒茶屋

立ち飲みでもレストランでも使い方はお好みで

角打ちでもしっかりした料理を出すところは少なくないが、レストランの厨房で料理を作っているというのはなかなかない。

店内は中央の大きなセラーを挟んで、手前がワインスタンド、奥がレストランという3つのパートに分かれている。ウォークインセラーは友人のワインショップが手掛けているそうで、ナチュラルワインが中心。

鳴門天然ハマチのカルパッチョ 2000円、ビーツのフムスとルティーやチップス 1000円、グラスワイン 1200円~

『NUPURI』(手前)鳴門天然ハマチのカルパッチョ 2000円、(奥)ビーツのフムスとルティーやチップス 1000円、(ドリンク)グラスワイン 1200円~ レストランのメニューは契約農家から届く野菜をたっぷり味わえる

レストランで腕を振るうのはイタリアン出身の小淵シェフだ。野菜やスパイス使いが巧みで、ワインに寄り添うジャンルレスなメニューを繰り出す。調査時、軽く一杯のつもりでふらりと立ち寄ったところ、「軽く食べます?」と促されてレストランのカウンターへ。

実はレストランがオープンする18時からは奥のカウンター席も利用可能で、レストランと角打ち、どちらも同じ料理をオーダーできるのだ。

もちろん、ワイン一杯だけならスタンドで立ち飲みが気分。駅から少し離れた住宅街にあって、若者でにぎわう三茶らしからぬ落ち着いたムードも大人にはちょうどいい。

『NUPURI』大きなウォークインセラーの手前がワインスタンド。昼は軽いおつまみのみ

[住所]東京都世田谷区三軒茶屋1-9-9
[電話]080-7937-4906
[営業時間]ワインショップ&ワインスタンド15時~24時、日15時~22時
[休日]不定休
[交通]東急田園都市線三軒茶屋駅南口から徒歩8分

『WINE SHOP 〜Corner Bar〜 BLANCO』 @浅草

散歩の途中で立ち寄りたい浅草のニューフェイス

かっぱ橋道具街が近い西浅草は、住宅街が近い静かなエリア。築地のイタリアンでソムリエをしていた高山さんと奥様がこの街に店を開いたのは去年の11月。シンプルですっきりした店内は明るく開放的で、奥にはガラス窓のある大きなウォークインセラーがある。

「クラシックやナチュラルといった線引きはせず、本当においしいと感じたものを選んでいます」と、ワインは日本ワインを含め、バリエーション豊富。価格帯は2000円台からグランクリュクラスまでと懐が深い。

山口県萩市村田焼き抜き蒲鉾 600円、グラスワイン 800円~

『WINE SHOP 〜Corner Bar〜 BLANCO』(右)山口県萩市村田焼き抜き蒲鉾 600円、(左)グラスワイン 800円~ 福岡の両開漁場で採れた海苔はバリッとした食感で磯の風味も強い。噛むほどに旨みが濃い銀波蒲鉾は店頭でも販売している

おつまみは厳選したチーズやシャルキュトリーに混じって、ワインらっきょうなど和風なものもあるのが面白い。特に奥様の出身地・下関の名物という蒲鉾は、焼き抜きという製法で作られていて味が濃厚。それが白ワインにもぴったり合うというのはちょっとした発見だ。

角打ちというとラフな店も多いが、ソムリエの高山さんの接客はとても丁寧、グラスワインリストもあり、まるでちょっといいワインバーにいる気分になれる。

『WINE SHOP 〜Corner Bar〜 BLANCO』モダンな雰囲気の店内

[住所]東京都台東区西浅草2-17-5 ラシクラス西浅草1階
[電話]070-2032-7884
[営業時間]12時~22時
[休日]水
[交通]つくばエクスプレス線浅草駅A2出口から徒歩8分

『AOYAMA GOURMET MART』 @青山

飲む買う味わう 三拍子揃ったおいしい角打ち

地中海の晴れた空のような真っ青な外観が目を引くここは、アメリカで増えているというグルメマート。食料品の販売、酒屋、レストランが同居する注目のスタイルだ。

ショップではスタッフが実際に食べておいしかったものを基準に、オリーブオイルや調味料などをセレクト。ウォークインのワインセラーにはデイリーなものを中心に、世界中から選りすぐったワインが揃う。

そして奥にはカウンターレストランが隠れている。その立地から窓がなさそうに思うが、意外にも緑が目に心地いい開放的な空間だ。

サカエヤさんの牛粗挽きパスタ 3500円、グラスワイン 1500円~

『AOYAMA GOURMET MART』(手前)サカエヤさんの牛粗挽きパスタ 3500円、(奥)グラスワイン 1500円~ 阿蘇あか牛の首肉など、煮込んでおいしい部位を白ワインで軽く煮込んで。軽めのオレンジワインを合わせたい

昼は日替わりのパスタ、夜はア・ラ・カルトで腕を振るうのは若き久保シェフ。メニューには食通に知られた滋賀サカエヤの牛肉や豊洲へ通って毎日仕入れる魚貝、福岡直送の有機野菜など、素材にこだわった料理が並ぶ。

レストランへ抜栓料なしでボトルを持ち込み料理とゆっくり味わうもよし、表のショップで一杯やりながら買い物するもよし、と使い方も自由にどうぞというのが今の気分にピッタリ。

『AOYAMA GOURMET MART』落ち着いた雰囲気のカウンター席

[住所]東京都港区南青山2-10-11 A青山ビル1階
[電話]03-6388-1400
[営業時間]ショップ11時~、レストラン12時~15時(14時半LO)、17時~22時(21時LO)、土日祝12時~22時
[休日]月
[交通]都営大江戸線青山一丁目駅5番出口から徒歩7分

『まさもと』 @下赤塚

昼からパン飲みを楽しめる住宅街の角打ち

店に入ってすぐ目に飛び込んでくるのが木製の大きなショーケース。「100年ぐらい前のフランスのものらしいです。一目ぼれで」と店主の大木さん。そこに並ぶのはバゲット、全粒粉のくるみパン、チョコサンドなど15種類ほどのパンたち。

パンも店内もすごくオシャレ、なのになぜか街のパン屋さん的な匂いが漂っているのは、大木夫妻のゆるやかな人柄のおかげかもしれない。

パン盛 450円、グラスワイン 800円~

『まさもと』(手前)パン盛 450円、(奥)グラスワイン 800円~ オレンジワインでパン飲みを

店主の大木さんは人気店『パーラー江古田』出身。そう聞くとなるほどとなるが、実は最初は全くパンを焼いていなかったのだとか。時々焼いていた自家製酵母のパンがお客さんに評判となり、徐々に増えていったそう。

セラーにはナチュラルワインとクラフトビールが並び、グラスワインだけでなく、ビールタップやコーヒーもある。土曜日は明るい時間においしいパンとワインを楽しめ、会社帰りに家へ着く前のワンクッションとして、一杯の上質なワインでリフレッシュできるご近所さんがうらやましいぞ。

『まさもと』マスタードイエローの扉やヴィンテージ感のあるタイル床がおしゃれ。でもさりげなく商店街の中に溶け込んでいる

[住所]東京都板橋区赤塚2-7-6 アプリコットガーデン104
[電話]03-6906-8313
[営業時間]12時~20時、角打ち:17時~、土15時~
[休日]日、月、火
[交通]東武東上線下赤塚駅から徒歩3分

撮影/貝塚隆、取材/岡本ジュン

2024年6月号

※2024年6月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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