一時期の貝ダシブームから、鶏ダシ、さらにはそれらを組み合わせたWスープやトリプルスープなど、多様な広がりを見せる塩ラーメン。スープをスッと飲めば、思わず「旨い……」と口をつく。そんなじんわり染み入る至高の一杯をお届けします。
鶏×貝スープ
東久留米「入鹿TOKYO」
爽快な柚子の香りを鼻先に感じつつ、スープを舌に広げたら、名古屋コーチンや大山どりの深いコクがじんわりとやってくる。後味にはごく最近になって素材に加えたというムール貝の風味も重なって、複雑な余韻を楽しめる。全粒粉をブレンドした特注麺は、すすれば弾けるような香ばしさ。味覚と嗅覚を隅々まで刺激する渾身の1杯だ。
この柚子塩と肩を並べるのが上写真の醤油で、こちらはポルチーニの香りを移した鶏チーユ油と、薬味にトリュフも添えて、リッチで豊潤な味わいに仕上げている。