「島々へのご訪問(2)」では、数少ないお召船の運航実態や、天皇在位中の離島ご訪問の締めくくりとして、2018(平成30)年に訪れた「北海道利尻島」と「沖縄県与那国島」でのご様子について、振り返ることにしたい。
お召船(おめしせん)を利用して
本土からほど近い島々へのご訪問には、船舶を利用することもある。1999(平成11)年の奥尻島、2004(平成16年)の小豆島、2007(平成19年)の玄海島と、平成年間には3回ほどあった。
奥尻島へは東日本海フェリー「アヴローラおくしり」(瀬棚港フェリーターミナル~奥尻港フェリーターミナルを往復)、小豆島へは小豆島フェリー「スーパーマリン2」(高松港→内海港、土庄港→高松港)、玄海島へは福岡市営渡船「きんいん3」(中央ふ頭イベントバース→玄海島港桟橋、大津港桟橋→烏丸半島船着場=からすまはんとうふなつきば)を、それぞれご利用になった。両陛下がご乗船になる船舶は、大・中型船であればメインマストに、小型船は艇首に「天皇旗(てんのうき)」が掲げられ、「お召船」と呼ばれる。