悲願の優勝なるか、ついに勝者決定のとき
最終決戦は「ハンバーグに革命を起こせ!」。
先攻の木村シェフが作ったのは「ほろたく」。日本の食文化における原点回帰の革命を掲げ、使用した食材はタルタルの起源・馬肉。そして、漬物文化をなくしてはいけないというメッセージからたくあんをチョイスしました。
七輪にかけた麩焼きせんべいのふたを外して、そのまま肉を食べ、その後せんべいと一緒に食べる。そして、海苔、葉わさびの醤油漬けなどで味変を楽しむと、様々な味が楽しめる構成で勝負をかけます。
なんと完食した上沼さんは「もうひとつほしい」と笑顔。「甘みの種類ってこんなにあるのか」と多彩な甘みに舌を巻いていました。
「料理としてはほぼ完璧」と話したのが神田シェフ。「馬肉と高菜、食感の素晴らしいバランス。どんどん引き込まれていきました。麩焼きの甘さに肉の旨みが絡む、わさびづけと醤油のコンビネーションもいい」とこちらも絶賛です。
後攻の山下シェフは、魚の王様・クエ、牛肉の王様・シャトーブリアン、そして野菜の王様・モロヘイヤを加える贅を集めた一品、その名も「王様」。「今まで試作したことないけど、何回かわからないくらい試作した」というコメントからも、優勝に賭ける思いを感じます。
調理中には、クエとシャトーブリアンが一緒にミンチになって出てくるなど、これまでに見たことがない衝撃の場面も見られるなど、インパクト抜群の料理ができあがりました。
「魚、肉のいいところを合体させた、極めてシンプルで完成度の高い料理。挽き肉の中に塊肉が入るだけで味がこんなに変わるんだとびっくりした」と関谷シェフが唸ります。
「食べ物の中でハンバーグは好きじゃない」と言う上沼さんは「先程のお料理とこれで、ハンバーグが好きになりました」とコメント。「馬肉を食べたことがなくて受け付けなかったのに思いっきり食べられた。ダメなものを好きになった。これだけでも私の中で革命が起きました。そのことに感動しています」と、先攻の木村シェフを含め、両者を称えた上沼さん。
さて、得点は如何に?
まず、先攻・木村シェフの点数が、神田:18、関谷:16、中村:15、GACKT:9、上沼:20の合計78点。
そして、後攻・山下シェフの点数が、神田:17、関谷:17、中村:18、GACKT:8、上沼:17の合計77点。
なんと、わずか1点差という僅差の結果、木村僚佑シェフが日本料理のシェフとして初の優勝を果たしました。そして、トロフィー、チャンピオンコックコート、副賞の「ザ・プレミアム・モルツ」1年分、そして賞金1000万円を獲得しました。