どこまでも謙虚 その姿勢に和食料理人の矜持を見た
優勝した感想を聞かれると「自分が一番信じられないです。『緒方』の木村なので、こういう結果に結びついてよかったです」と、自身が所属する『緒方』の看板を背負っての優勝に安堵の表情を浮かべました。
リモートで応援していた家族から奥様が「彼の料理への愛と根性、周りの人の愛が結びついたと思います」と話し、木村シェフには「周りの方に感謝して料理に向き合ってほしいです」とメッセージを贈りました。
最終決戦について感想を聞かれた審査員からは、神田シェフが「4年目でみなさんレベルが上がってる。(ずっと)山下さんを見てきて複雑な思いもありますが、日本料理のよさをいかして、キリで穴を開けるような思いで木村くんが勝ったように思う」と、過去3度の決勝進出、2度の準優勝を誇る山下シェフを気遣いつつ、木村シェフの勝因を話しました。
大会終了後、木村シェフは出演者と共に記者会見へ。今の思いを話してくれました。
506名の頂点に立ったことについて「ありがたいです。『うれしい』という気持ちより『ありがたい』の気持ちの方が大きいです」と述べた木村さん。
「自分は何者でもない。不器用でセンスがないと言われてやってきたので、ここまでやってこれたのは周りの人のおかげ。支えてくれた人がいて、後押ししてくれる人がいて、すべての人のおかげでここにいる。僕ひとりの力ではない」と、どこまでも謙虚の姿勢を崩さず。
奥様へのメッセージを聞かれると、「『よかったね』と言いたい。自分のことのように捉えてくれていた妻にありがとう(と感謝したい)。女将さんからは奥さんにプレゼントを買ってあげなさいと言われています(笑)」
会見前には、上沼さんからも「アンタは1銭も使ったらアカン。奥さん、お父さん、お母さんに差し上げて」と言われた木村シェフ。まずは奥様へのプレゼントを買うことが賞金の使い道になりそうです。
今後のことについて「緒方さんのやりたいこと、思い描いているイメージを、私たちが盛り上げて、その名に恥じないようにしたい」と話すなど、会見のほとんどで、あくまで『緒方』の木村であることを話していたのが印象的でした。
その姿を見て今田さんも思わず「こんな結果が出たらすぐに独立しますけど(笑)、如何に師匠がいい人なのか」と漏らすほど、終始殊勝な態度を見せた木村シェフ。
「日本料理を代表して来ているから、和食っていいなと思ってほしかった。特にこれから料理人を志す高校生や専門学生に日本料理人ってかっこいいなと思ってくれたら本望ですね」と語った木村シェフ。
その姿を見て和食の料理人を目指す若者が現れ、そして「CHEF-1グランプリ」で優勝を掴む。そんな未来を想像しました。
来年に向けて、ここからまた次なる戦いがはじまります。エントリー数が増え、より多くの革命的な料理が生まれることを楽しみにしています!
今回の決勝戦の模様は「TVer」や「ABAMA」で期間限定で配信中。見られなかった方はこちらをチェックしてみてください。
そして、2024年9月21日〜23日には番組初となるフードフェス「CHEF-1フェス2024〜餃子食祭〜」が、大阪・万博記念公園 お祭り広場で開催されます。詳しくは番組HPをご覧ください。
写真/(C)CHEF-1グランプリ2024 取材/編集部えびす