江戸前で語られることも多く、東京名物的なうなぎ。しかし、埼玉、千葉、神奈川さらに山梨から北へ、西へと、地方にも名店は多い。土用の丑の日を前に、東京の喧騒を離れて堪能したい名店をご紹介します。
地元ライター・松井オススメ!『梓清流(あずさせいりゅう) うなぎ百福(ももふく)』 @長野県・波田
この盛りでこのお値段!豪華うなぎの二段重
三河一色から届く丸々とした国産うなぎに井戸水をかけ流し、2日かけて鍛え直す。臭みが抜け、身が締まったうなぎを朝〆することで、その味わいが格段に生きるのだ。
特上うな重 4500円
皮目に水を打ち、ゼラチン質を溶かしながら備長炭で焼く。こうすることで皮が柔らかくなり、大ぶりの身もパリッと焼き上がる。脂ののった肉厚のうなぎの旨みを引き立てるのは、甘すぎないさっぱり目のタレと地元産のはぜ掛け米。
蒸しは入れずにじっくり地焼きにした関西風のうなぎは、上高地や乗鞍を訪れた関東からのお客にも喜ばれている。何よりも、上質な国産うなぎをこのボリュームとこの値段で食べられる幸せたるや。実家を改装した店舗で営業しているので、都会では考えられない価格でうなぎを堪能できる。
[住所]長野県松本市波田鍋割5459-1
[電話]0263-88-3629
[営業時間]11時~15時(14時半LO)、17時~21時(20時半LO)※売り切れ次第終了
[休日]月(祝の場合は翌火休)
[交通]松本電鉄波田駅から徒歩6分、長野道松本ICから車で15分
『観光荘 松本店』 @長野県・松本
衝撃のパリパリ食感と香ばしい香りに夢中!
平日にも関わらず、開店を前に続々と車が訪れる。その多くが松本ナンバー。本店は諏訪湖畔の岡谷市に構えるが、食べる前からこの町での愛されっぷりが伝わってくる。
うなぎは蒸さずにじっくり炭火で焼き上げる関西風の地焼き、タレはガツンと甘い味付け。パンチの効いたこの岡谷スタイルのうなぎが松本市民は大好きなのだが、醤油も強めに利かせているのでくどさはない。
シルクうなぎ重 4680円
身が厚いのでタレが染み込みすぎず、うなぎの味もバッチリわかる。パリパリッと音がするほど焼き切った皮目をかじると、肉厚な身から脂がジュワリとあふれ出す。炭火で焦げた香ばしいタレの香りと濃厚なうなぎの脂のインパクトといったら!
ああ、帰宅したそばから、もうあの味が恋しい。なるほど。みんなこうやって虜になっていくのだな。
[住所]長野県松本市渚2-2-5
[電話]0263-31-6963
[営業時間]11時~15時(14時LO)、17時~21時(20時LO)
[休日]木(不定休あり)
[交通]JR篠ノ井線ほか松本駅アルプス口から徒歩10分、長野道松本ICから車で5分