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国内外のアーティスト2000人以上にインタビューした音楽評論家の岩田由記夫さんが休日のドライブで聴きたくなる名盤を紹介します。今回は、米ロックバンド、イーグルスの『THE LONG RUN(ロング・ラン)』(1979年)です。イーグルスは1971年、グレン・フライ、バーニー・リードン、ランディ・マイズナー、ドン・ヘンリーの4人で結成。その後、メンバーは入れ替わり、解散や再結成、創設メンバーのグレン・フライの死もありましたが、今も活動が続くスーパーバンドです。

西海岸移住者によるバンド

音楽的には1960年代末から1970年代は、アメリカ西海岸の時代だった。ヒッピー・カルチャー発祥の地サンフランシスコを筆頭に全米中のミュージシャンの卵が、西海岸を目指してやって来た。

イーグルスの中心メンバー、ドラムス&ヴォーカルのドン・ヘンリー、ギター&ヴォーカルのグレン・フライもそんな西海岸移住者だった。ロサンゼルスでふたりは、メンバー全員のルックスが良く、演奏能力が高く、ハーモニーを得意とする新バンドを結成しようと企てる。こうしてイーグルスは誕生した。

シングル「テイ ク・イット・イージー」がヒット

1972年のデビュー・アルバムからイーグルスは人気となり、カットしたシングル「テイ ク・イット・イージー」はヒットした。

初期のイーグルスはロックとカントリー・フレーバーの融合で次々とヒットを飛ばしていった。メンバーは次々と交替したが、中心はドン・ヘンリーとグレン・フライだった。

彼らの名前を世界レベルで決定的にしたのは、1976年末に発表したアルバム『ホテル・カリフォルニア』だった。それまでのいかにもウエストコースト・ロックらしいサウンドと少し距離を置き、アメリカの苦悩をテーマにしたこのアルバムは空前の大ヒットとなった。

イーグルスの名盤『ロング・ラン』

空前の大ヒットアルバム『ホテル・カリフォルニア』から

本作『THE LONG RUN(ロング・ラン)」 は、『ホテル・カリフォルニア』からおよそ 3年後に発表され、第1期イーグルスのラスト・オリジナル・アルバムとなった。

社会現象になるほど『ホテル・カリフォルニア』が大ヒットしたため、このアルバムは難産だった。当初は2枚組の予定だったが、1枚となり、発表も予定から1年遅れて1979 年9月までずれ込んだ。そしてベーシストとしてティモシー・ B・シュミットが初参加したアルバムでもある。

イーグルスの底力は『ホテル・カリフォルニア』の燃えつき症候群に陥ることなく、その全キャリアを注ぎ込んだ聴きやすい内容のアルバムを作り上げた。

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ウエストコースト・ロックらしい抜けの良いサウンド...
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岩田由記夫
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