ようやく出発! 追加注文でまさかの事態が!
そうこうしているうちにようやく出発! と思ったら、品川駅で停車。なかなかうまく進まない。そんなときこそ、車内販売の出番だ。車内販売は、僕たち私たちの味方なのだ。
チューハイが空きそうになったところで、プレモルを注文した。前回は早く持ってきてくれたのに今回はなかなか来ない。オーダー完了時の画面を見ていなかったので再度見てみると、お届け目安の時間が25分程度と書いてあった。
やはり、多数の方は発車してから頼んだのだろうか。飲み屋やUber Eatsでは考えられないお届け時間だが、パーサーさんが少ないのだろう。そもそも車内販売がなくなった理由のひとつに、人手不足で販売スタッフの確保が難しくなっていることが挙げられていた。先は長い。気長に待とう。
というのも、車内アナウンスによれば、目的地の新大阪駅に1時半到着予定と言うではないか。ここで呑兵衛の自分が思ったのは「ほぉ、これからくるプレモルのあと、もう1杯は余裕で飲めるな」である。
かくしてやってきたプレモルはキンキンに冷えていた。これがうれしいんだ。持ってきてくださったパーサーさんが先ほどと同じ方だった。その車両担当だといいが、3車両すべてこの方が担当されているとしたら……今日はフル稼働。相当キツいだろう……。
ふと時計を見ると23時半。乗車からかれこれ3時間半は経っている。本来であれば1時間前には新大阪駅に到着しているのだが、まだ静岡県内を走行している。そのとき、パーサーさんが全客席におしぼりを配りにきてくれた。
知らなかったのだが、グリーン車では必ず配られるんだとか。しかもこれが一部の高級ホテルでも採用されているほどの“いいおしぼり”。あぁ、確かに肌触りがいい。
恍惚な表情を浮かべつつ、ラスト1杯の注文を企てる。チューハイで〆るんやと思ったら、なんと売り切れ。さっきのプレモルのときにもう一回チューハイを頼めばよかったか。最後まで判断が裏目に出る……。
ならば、山崎か! いやそれは高級すぎる……。日頃からグリーン車に乗っているガチ勢ならば頼むかもしれないが……。流石に頼めない。今、このヘタレが! と思っているアナタ、申し訳ない。
結局、2本目のプレモルを注文した。時は0時27分。この時間ともなるとSuicaの端末もお休みされているとのことで、現金払いに。端末にも働き方改革の波がきてるんだな。
ようやく三河安城を通過。それを告げる車内アナウンスで、特急券の払い戻しについての説明が流れる。なんと! それだったら山崎を攻めてもよかったではないか! ここにきてまだ裏目るのか。今日はそういう日なんだろう。
1時9分、ようやく京都駅に近づいてきたところで車内販売終了のアナウンスが流れた。
いやぁ、新幹線で呑むのが好きとはいえ、ここまで長くその時間を体験できるとは思わなかった。地震で怖い思いをされた方のことを思えば、長い時間もなんのそのである。
そんな思いにふけっていたら、またまたアナウンス。新大阪駅のホームで朝5時まで寝られる列車を用意してくれるとのこと。JRさん、神対応すぎるよ!
なんて感動していたら、新大阪駅に到着。実に3時間10分遅れでの到着となった。車内販売について書く記事だったはずが、壮大なドキュメントになった。新幹線に関わるスタッフのみなさん、ありがとうございました。そして、この夜、東海道新幹線に乗ったみなさん、お疲れ様でございました。
取材・撮影/編集部えびす