西川口には、現地にいるのかと錯覚するようなディープな食材店も点在する。中国野菜や乾物、缶詰などはもちろん、水槽の中には食用の川魚やカニなどもうごめく。豚、鶏、羊、さまざまな肉のさまざまな部位、調理用のスパイスやハーブなども。冷凍庫の中には業務用とおぼしき(!?)種類豊富な餃子や点心も。
覆面調査隊ならば行かねばなるまい……ということでさっそく現地に向かった。
現地のまんまの賑わいと味
西川口のことなら、一度滅んだと聞いている。この街はかつて風俗エリアとして隆盛を極めていた時代があったが、それも今は昔。風俗街としての街の衰退後は、中華街化ではなく、ふかくチャイナタウンとして加速した――という。
そこで、過日に『おとなの週末』編集部の覆面調査隊たちが西川口におとずれた。
西口に降り立つと抜群の嗅覚を示すカメラマンのUが、看板も品書きも中国語の食材店を発見。
「本場のおいしい餃子を食べられる店はあるか?」と早速聞き込みを開始した。
そう訊かれ、最初は店内の冷凍食品ケースの前に連れていかれたのはご愛嬌(実際そのなかにもいろんな種類のうまそうな冷凍餃子があった!)、そこで教えてもらったのが『東北餃子王 師府』だ。
灯台下暗しとはまさにこのこと。駅前ロータリーに面したビルの2階、2018年の5月にオープンした店だ。
ファミレス風の空間ながら、出てくる餃子の本格度合いにいきなり驚く。”東北”の肩書通り、モチモチっとしたやや厚手な皮の茹で餃子がまずうまい。
酸味のある白菜漬けと豚肉入り、小籠包のように肉汁がジュワ~なスープ入りもまたうまい。
1軒目から長居したくなる気持ちを振り切り次に向かう。西口駅からほど近い左手エリアには雑然としたなかに、いろんな中国料理店の看板が並ぶ。そのなかでも、ひときわ派手なネオンが目立つ『鴻運楼』がわれわれを呼ぶ。