鮨は「中トロ」がお好み
天皇陛下のカレー好きは、耳にしたことがある人もいることだろう。学習院大学在学中に、学生食堂で「カレーライス」を好んで召しあがった話は有名だ。いつの頃か、有名タレントが軽井沢にカレー専門店を開いていたときに、「私が行ったら迷惑でしょうね」と、側近に話されたというエピソードがあるくらいのカレー好きなのだ。
皇太子時代には、母校の学習院大学がある目白駅周辺の飲食店へ、皇后雅子さま(当時は皇太子妃殿下)とお忍びで訪れたことは、有名な話として知られる。訪れた鮨店では、「中とろ」と「いか」などを好まれたと、店主が話しているくらいだ。この鮨店の近くにある老舗イタリアンレストランへもお忍びで訪れたことがあったという。イタリアンといえば、京都を訪れた際に、祇園にあるイタリアンレストランにも足を運ばれたこともあったそうだ。
天皇陛下となられた今は、外食の機会といえば地方などの訪問先に限られるようが、 “地の食材”を使った郷土料理などを召し上がることを、楽しみになさっていることだろう。
文・写真/工藤直通
くどう・なおみち。日本地方新聞協会皇室担当写真記者。1970年、東京都生まれ。10歳から始めた鉄道写真をきっかけに、中学生の頃より特別列車(お召列車)の撮影を通じて皇室に関心をもつようになる。高校在学中から出版業に携わり、以降、乗り物を通じた皇室取材を重ねる。著書に「天皇陛下と皇族方と乗り物と」(講談社ビーシー/講談社)、「天皇陛下と鉄道」(交通新聞社)など。