リセールバリューの高いクルマがお得
残価設定ローンの損得勘定を大きく左右するのは数年後の残価だ。残価設定ローンでは、残価を除いた金額を分割返済するから、残価率(新車価格に占める残価の割合)が高ければ月々の返済額も抑えられる。
前述のように3年後の残価が45%であれば、3年間で残価を除いた車両価格の55%を返済するが、残価が60%に高まれば、3年間の返済額は40%で済む。返済期間終了時に車両の返却を前提にすれば、残価は高いほど月々の返済額が減って利用するメリットも大きくなる。
そこで残価の高い車種を探すと、新車価格の割に中古車価格の高いリセールバリューの優れた車種が多い。中古車として高く販売できれば、残価も高められるからだ。また販売促進対策として、敢えて残価を高めに設定することもある。特に高価格で売りにくい車種は、残価を高めに設定して月々の返済額を安く抑える。
コンパクトカーなど、一般的な残価設定ローンの残価率は、3年後が45%、4年後は33%、5年後は25%という具合だ。5年後の残価は、3年後に比べて大幅に下がる。
ところがトヨタアルファードは、3年後の残価が67%と圧倒的に高い。3年間で33%を返却すれば良い。4年後は60%、5年後でも53%と下落が小さい。
同じトヨタのランドクルーザー250は、3年後が66%、4年後はアルファードと同じ60%、5年後は55%だからアルファードよりも高い。
ランドクルーザーのような悪路向けのSUVは、ミニバンのアルファードに比べてフルモデルチェンジの周期が長く、発売からの時間の経過に伴う中古車価格の下落幅が小さい。そのために5年後でも55%の高い残価を維持できる。