今こそトリガー条項を実施すべき
そこで話題になるのがトリガー条項だ。ガソリン価格が1リッター当たり150円を上まわった時、以前の暫定税率に相当する25.1円を差し引く。ただしトリガー条項には、税収不足を招く批判もあり、2011年の東日本大震災の時に、復興の妨げになるという理由で凍結された。これ以来、凍結が続くが、今の燃料価格を考えると実施すべきだ。
ちなみに新型コロナウイルスの影響で燃料価格が高騰する前の2019年は、レギュラーガソリンの全国平均価格が1リッター当たり147円、軽油は127円程度であった。
今のレギュラーガソリン価格は、前述の通り全国平均が1リッター当たり174.5円だから、約1.2倍に高まった。さらに遡ると2010年頃は130円前後だったから、今はこの時代に比べて所得は高まっていないのに、ガソリン価格は1.3~1.4倍に上昇している。
こういった現状を考えると、燃料の課税を抜本的に見直す必要がある。なぜならレギュラーガソリンの全国平均価格が174.5円に高まった今でも、ガソリンの本体価格は102円に過ぎないからだ。残りの72.5円は、消費税を含めた数々の税金で占められる。