軽油の本体価格はガソリンよりも高いが、税金によって販売価格が逆転
そしてガソリンの小売価格は、軽油に比べて20.3円高いが、本体価格では逆転する。現在の軽油の本体価格は1リッター当たり108円だから、レギュラーガソリンよりも6円ほど高い。つまりガソリンの価格は、税金のために軽油価格を上まわる。
そして燃料に含まれる数種類の税金には、道路建設を目的に徴税を開始した道路特定財源に基づく税目が多い。道路特定財源制度は2007年に廃止されて、既に課税する法的な根拠を失ったが、徴税は今でも続いて一般財源(普通の税金)として幅広い用途に使われている。つまりクルマのユーザーは、不当に多額の税金を負担している。
「クルマのユーザーは裕福だから、多額の税金を負担させる」という大昔の考え方を捨てて、燃料を含めて、クルマ関連の課税を抜本的に見直すべきだ。
文/渡辺陽一郎(わたなべ よういちろう):自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。執筆対象は自動車関連の多岐に渡る。
写真/Adobe Stock(アイキャッチ画像:tokyo studio@Adobe Stock)