大井町「のりや食堂」
かつて東京で巻き起こった和歌山ラーメンブームを牽引し、20年以上経った今もしかと暖簾を守っている。店内に入るとぷぅんと漂う豚骨の香り。厨房をのぞくと、いくつもの巨大な寸胴が並んでいた。こちらのスープは豚骨と鶏ガラを別々の鍋で炊いてから合わせ、さらに丸一日火にかけて馴染ませる。
ここからさらに熟成の工程を経て、やっとのことで完成だ。ひと口飲めば凝縮した旨みと、燻製のようなスモーキーな香りに引き込まれてしまう。パワフルでありつつも、クドさは微塵もない。それがこれほど長く愛されてきた理由のひとつだろう。
『おとなの週末』2022年2月号より(本情報は発売当時のものです)
…つづく「東京の本当うまい「町中華のラーメン」ベスト6店…なんと一杯《600円》、スープ絶品《浅草・大森・人形町・大井町・千歳烏山・清澄白河》で覆面調査隊が発見」では、あまたひしめく町中華のなかから、おいしいラーメンの店を紹介します。