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高井戸『塩そば 時空』

特製塩そば

行列の先にあるのは美しき佇まいのラーメン。看板の「塩そば」には動物素材を使っておらず、乾物だけで凛とした味わいに仕立てている。

「ダシだけ? 物足りないのでは?」という心配は杞憂。煮干しとサバ節を軸に昆布やシイタケ、貝柱と異なる旨みを重ね、驚くほど重層的な味わいを体現しているからだ。温度の変化と共にさまざまなダシの風味が顔をのぞかせるので、飽きることもない。

対する「裏醤油そば」は動物オンリーのスープで魚介を封印。「塩そば」との対比で魅せる。面白いのは、どちらも最初の上品な味わいからガラリと印象が変わること。食べる度に複雑に味が混ざり合い、濃く、力強くなっていくのである。既視感のある一杯が多い中、唯一無二の味で満足を届けてくれる。

鶴川『しおらーめん 進化2nd』

しお味玉らーめん

さすがは、塩の名手『しおらーめん進化』による新ブランド。本店が素材にこだわった塩ラーメンを展開するのに対し、“ガツガツ食べられる力強い塩ラーメン”をテーマに掲げ、新たな塩ラーメンの魅力を発信している。

今回の主役は、超多加水の自家製手揉み麺。口の中でふわりと広がる小麦の香りともちもちぷるっとした食感が魅力で、我を忘れて啜ってしまう。

麺のおいしさを見事に引き立てているのが、キリッとした味わいの塩スープ。地鶏と豚でとったパワフルなスープを背脂で武装し、存在感のある麺と互角に渡り合える力強さを持たせた。

スープに溶け出た吊るし焼きチャーシューの燻香も食欲をかき立てる魔法のひとつ。香ばしい香りが麺に絡まり、箸の進みを加速させる。

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高円寺『中華蕎麦 一心』...
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おとなの週末Web編集部
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