牛込神楽坂駅の少し先、牛込中央通り沿いにも飲食店が連なる。喧騒とは程遠いエリアで、数こそ多くはないが、老舗、新店、和に洋にと揃い、しかもどこも個性あふれる店ばかり。今、一番の注目スポットです。今回はそんな牛込神楽坂エリアの和食店をご紹介します!
画像ギャラリー牛込神楽坂駅の少し先、牛込中央通り沿いにも飲食店が連なる。喧騒とは程遠いエリアで、数こそ多くはないが、老舗、新店、和に洋にと揃い、しかもどこも個性あふれる店ばかり。今、一番の注目スポットです。今回はそんな牛込神楽坂エリアの和食店をご紹介します!
酒肴をつまみ細打ちの綺麗な蕎麦で〆る幸せ『蕎麦前 玄樹』
細くてしなやか。一見するとたおやかな見た目だが、噛めばコシ、ハリがしっかり感じられ、のど越しすっきり。実にきれいな蕎麦なのだ。
北海道や栃木県、茨城県産の蕎麦粉を使い、その日の温度や湿度、水温などに細心の注意を払いながら真心を込めて手打ちする。
冷たい蕎麦ツユは3年熟成させた本枯節や宗田鰹のダシが効いたふくよかな味わい。「鴨南蛮そば」など温かい蕎麦にはサバ節も加え、奥行を感じさせる。
鴨南蛮そば 2000円
酒肴も酒呑みの気を引く抜かりのないラインアップで、日本酒は常時10種ほどが揃う。定番の「土佐のしらぎく特別純米 斬辛」を飲めば、やさしい味ながらキレも十分。きれいな酒に蕎麦と酒肴が揃う、大人が幸せにくつろげる店である。
[住所]東京都新宿区払方町1-6
[電話]03-5579-2096
[営業時間]17時~21時(20時半LO)
[休日]月、不定休あり
[交通]都営大江戸線牛込神楽坂駅A1出口から徒歩7分、地下鉄南北線ほか市ケ谷駅5番出口から徒歩8分
素焼きの器で蒸し焼きに。十二分に引き出された素材の旨さを堪能『SAIME(サイメ)』
噛むごとに口の中に響く小気味いい音。続いて甘み、旨み、香りが口中にじんわり広がっていく。野菜がこんなにもおいしかっただなんて。魚も負けていない。しっとりふっくらした身から旨みがギュッとあふれ出し……むふふと笑みが止まらない。そんな食経験が待つのがこちらだ。
昼のコース 3000円
秘密は調理器具と調理法にある。フタとの間に適度な隙間のある土器にも似た素焼きの鍋に素材を置き、それを竈門に乗せて炭火でじっくりと蒸し焼きにするのだ。適度な隙間から水分がほどよく抜けて、柔らかくなりすぎな野菜にも心地よい歯応えが残り、魚の身もギュッと締まるというわけだ。
仕上がり時間から昼も夜も完全予約制。が、21時を過ぎるとバータイムに。蒸し焼きにすることで歯応えと青みの残る大豆で飲る一杯も格別の旨さだ。
[住所]東京都新宿区新宿納戸町33 ガーデンヒルズ市ヶ谷1階
[電話]03-6824-4918
[営業時間]12時~14時(ランチ)、18時~21時(ディナー)、21時~23時(バー)
[休日]日、第3月
[交通]都営大江戸線牛込神楽坂駅A1出口から徒歩4分
江戸時代から続いた鮮魚店を居酒屋に、その仕入れ、味に唸る!『魚辰』
牛込中央通りを市ヶ谷方面に向かって歩くと現れる青いテント地の「五代目」の文字。創業150年余、江戸城に徳川将軍ありし頃からこの地で名物魚屋をやっていたというから、牛込がいかに古くから栄えた街かがわかる。
ところが、10年前に5代目を父から継いだ店主の杏子さんは、居酒屋に転業。以来、地域のランチから、夜の一杯まで、旨い魚を出す店として前以上に街に愛されている。
刺身盛り合わせ 2500円〜、紅生姜まみれ卵焼き 850円
仕入れでメニューが左右されるため、品書きはメモ用紙に手書きしてコピーするのが日課。どんな魚が入荷するかは風向きや潮の流れひとつで変わるのが魚屋の宿命だ。
「今秋はサンマの獲れ高好調と言われたけど、開けてみればそうでもなかった。その代わりアンコウが例年より早い。戻りガツオも出てくるし、冬の魚が早いです。旬の走りを楽しんで」(店主:杏子さん)。
[住所]東京都新宿区納戸町15
[電話]03-3260-3331
[営業時間]11時半~14時、18時~22時
[休日]火、不定休
[交通]都営大江戸線牛込神楽坂駅A1出口から徒歩4分
撮影/浅沼ノア、取材/松田有美(玄樹)、編集部(SAIME)、輔老心(魚辰)
※2024年11月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。