年棒公開、昭和の時代の特殊な慣例
近年は契約更改後に年俸が報道されることについて、選手の間で賛否が分かれ、金額を非公開とする選手も増えてきている。また今オフより代理人を弁護士に限定してきたルールが撤廃され、今後、代理人交渉が活発になれば、契約更改の形式に変化が出てくるかもしれない。
ただ、年俸が高騰すればするほど、ファンの関心が高まるのも事実。選手が自身の給料を公開するというのは、昭和の昔、プロ野球が国民的娯楽であり、社会的関心事でもあった頃の名残というべき特殊な慣例だが、これからもオフの風物詩として、続いていくことになりそうだ。
石川哲也(いしかわ・てつや)
1977年、神奈川県横須賀市出身。野球を中心にスポーツの歴史や記録に関する取材、執筆をライフワークとする「文化系」スポーツライター。
※トップ画像は、「Photo by Adobe Stock」