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今オフのプロ野球は、監督交代ラッシュとなった。セ・リーグは阪神、中日、パ・リーグは楽天、オリックス、西武と5球団の指揮官がチームを去る。チームの再起を願い自ら身を引く「勇退」があれば、志半ばでの不本意な「解任」もある。これまでの監督交代劇から、指揮官の引き際について見ていく。

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引き際をわきまえている名将・中島聡

2024年10月6日、雨のそぼ降る仙台・楽天モバイルパーク。シーズン最終戦を降雨コールドゲームで終えたオリックス・中嶋聡監督は試合後、いつものように淡々とした調子で口を開いた。

Aクラス監督のシーズン終了後の退任(2000年以降)

「3連覇したチームとは思えないほど、優勝争いに絡めずに終わり、辛かった。うまくいかず悔しかった。僕は責任という言葉をよく使っていましたが、『こっちに責任があるから思い切ってやってくれ』と。それを考えたらここまでチームが落ちるということに関して責任は取りたいと思いますね。今年で辞任します」(デイリースポーツ2024年10月6日)

長年、Bクラスが定位置だったオリックスに「黄金時代」をもたらした指揮官の突然の退任表明だった。中嶋監督は2020年のシーズン途中から監督代行としてチームの指揮をとり、翌2021年、正式に監督に就任すると2年連続で最下位に沈んでいたチームを立て直しリーグ3連覇、2022年には日本一へと導いた。

今季は主力選手に故障が相次ぎ、就任以来初めてのBクラスとなる5位に終わったものの、これまでの実績を評価し球団は来季の監督続投要請をしていた。しかし、中嶋監督は「今まで通りやったとしても人って慣れるじゃないですか。慣れの方が今年は多く、より強く出てしまった」、「もう一回やり返したいという気持ちはありましたけど、やり返すのなら新しい形の方がいい」(スポーツ報知2024年10月6日)と辞任する道を選んだ。

京セラドーム大阪「Photo by Adobe Stock」

4位で身を引く

過去に中嶋監督のように、球団に慰留されながらも辞任した指揮官に、元ソフトバンクの工藤公康監督がいる。工藤氏は2015年、前年日本一となりながら家庭の事情により退任することになった秋山幸二監督の後を受けソフトバンクの監督に就任した。

もともと戦力の揃った強豪チームではあったが、初年度にリーグ優勝を果たすと、日本シリーズでもヤクルトを破り日本一に。翌2016年はリーグ2位に終わったものの、選手の自主性を重んじ、個性を生かすマネジメント術が嵌り、千賀滉大(現ニューヨーク・メッツ)を堂々のエースに育て上げた他、甲斐拓也や周東佑京といった育成出身選手の才能を次々と見出し、2017年から4年連続日本一の常勝チームを作り上げた。

しかし2021年に就任後初めてクライマックスシリーズ進出を逃し4位になると、成績低迷の責任を負い自ら身を引いた。この時のことを後年、工藤氏は次のように話している。

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石川哲也
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