旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■京野菜です
正解:えびいも
難易度:★★★☆☆
おばんざいに欠かせません
えびいもは里芋の一種で、4月から5月初旬に種芋を植え、そこから約半年をかけて成長して、11月から12月あたりに収穫時期を迎えます。
実は、さといもと同じ品種で、栽培方法の違いにより作り出された野菜(イモ類)です。
さといもとの栽培方法の違いですが、さといもは種いもを植えれば、後は水やりをするくらいでいいのですが、えびいもは「土寄せ」と呼ばれる作業を暑い夏場に繰り返し行わなくてはなりません。このようにとても手間がかかる野菜なので、価格も高めです。
京の伝統野菜で、京都を中心に関西地域で多く栽培され、「京芋」とも呼ばれています。えびのように反り返った形と縞模様が特徴で、その見た目が名前の由来といわれています。
さといもよりも粘りが強く、肉質もキメが細かいため、よりねっとりした食感を感じることができます。また、煮くずれしにくいため、煮物に最適です。
えびいもと棒タラを煮つけた「いもぼう」は、代表的な京都の伝統的なおばんざいとして知られています。
また、京都では、おせち料理やお雑煮にも欠かせない食材となっています。
近年では、関西以外の地区でもお正月が近くなるとスーパーの店頭で見かけることが多くなりました。
どう調理していいかがわからないため、興味があるものの、購入を躊躇してしまうという人も多いはず。しかし、調理法はさといもと同じで、皮をむいて軽く下茹でをすればOK。特別な処理が必要というわけではありません。
ちなみに、さといもよりも旨みが強いため、素材の旨み生かせる、出汁をきかせた薄味の煮物にするのがおすすめです。
また、フリッターなどにして塩で食べるなどしても美味です。
関西地区以外では、お正月前後にしか店頭に並ぶことがない希少な野菜なので、見かけたらぜひ一度、購入してみてください。