蕎麦屋での長っちりは野暮
渡「蕎麦屋って、醤油とわさび、海苔を最高においしく味わえる場所なんですよ。だから、一杯やるには極上の場所なんです」
武「たまにはいいこと言いますね」
渡「昔インタビューした某映画監督の受け売りです。そういうことをしたり顔で言いたいんですよ、いい感じの蕎麦屋で。時に、どうして蕎麦屋の酒というヤツが旨いか、わかるかい?なんつって」
武「今回の記事を見てどうぞお好きなところへ行ってください。ところで、蕎麦屋で熱燗でも呑みながら話しましょうって言ったのに、なんで我々は今、巣鴨のネパール料理屋にいるんですかね」
渡「夜9時の待ち合わせじゃ、蕎麦屋は閉まってますよ。だから、せめてネパールの蕎麦がき“ディド”をつまみにホッピーでもと」
武「噛まずに喉で味わえっていう江戸っ子の蕎麦の食べ方と一緒だ。江戸っ子と言えば、蕎麦屋での長っちりは野暮だそうで。だから立ち食いは超粋です。年末年始くらいはワンコインと言わずに、千円札を握りしめて、ちょっと贅沢な立ち食いに出かけてほしいです」
渡「3店ともあまりに旨すぎて、呆然と立ち尽くしました」
武「イス要らなかったですね」
撮影/小澤晶子(豊はる、麓屋)、浅沼ノア(麺処 盛盛)、取材/渡辺高
※2025年1月号発売時点の情報です。
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