旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。さて、今回のテーマとなる食材は? 文/おと週Web編集部、画像/写真AC 【今月の旬食材は?】いま1年で最…
画像ギャラリー旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■いい香り!
正解:いよかん
難易度:★★★★☆
日本の在来種です
いよかんは明治時代に山口県で発見された在来種です。その後、愛媛県に苗木が持ち込まれて急速に普及していきました。その結果、いよかん(伊予柑)と名づけられました。これは愛媛県が昔「伊予の国」と呼ばれていたことに由来しています。
その名に違わず、国内生産量のトップは愛媛県となっています。そのシェアはなんと約9割です。
出荷のピークを迎えるのはピークは1月~3月です。
じつは、最近まで、いよかんの正体は不明だったのです。
みかんとオレンジ類の交配種ではないか、みかんとブンタンの交配種ではないかなど、さまざまな説が唱えられてきましたが、近年、ゲノム解析が実施され、海紅柑(かいこうかん)とダンシータンジェリンと呼ばれる品種の交配種であることが判明しました。
いよかんにもいくつか品種がありますが、現在生産されている品種の9割以上は「宮内伊予柑(みやうちいよかん)」です。
いよかんの魅力は、皮をむいた瞬間に広がるさわやかな香り。「香りの王様」ともいわれています。
また、酸味のあるさわやかでさっぱりとした甘さや、ジューシーさ、果肉が大きめでプチプチとした噛み応えのある食感も特長です。
酸味が控えめで甘さが強めものが好みという人は、3月頃に出回るいよかんがおすすめ!
これは、品種としては宮内伊予柑で、収穫後に3月までじっくりと貯蔵熟成した後に出荷されたものは「弥生紅(やよいべに)」と呼ばれています。貯蔵熟成することで糖度がぐんとアップするのです。
つまり、1月や2月頃に売られているものは貯蔵熟成させる期間が短めのため、酸味のあるフレッシュな味わいをもち、3月頃に売られているものは濃厚な甘みをもつということになります。
また、自宅でも酸味が強いと感じたら追熟させることも可能です。ただし、あまり追熟させてしまうと水分が失われてパサパサになることもあるので注意しましょう。
薄皮ごと食べることもできますが、みかんなどと比べると薄皮は厚めなので、むいて果肉だけ食べるのがおすすめです。
美味しいいよかんの見分け方
皮がなめらかでハリとツヤがあり、濃いだいだい色のものを。
持ったときにずっしりと重みを感じるもので、大きさは中玉くらいのものがジューシーで美味といわれています。
また、ヘタの小さいものは太いものに比べると、いよかんの内部に余分な水分が入らなくなり、甘味が強くなる傾向があります。
いよかんの注目栄養素
ほかのかんきつ類同様、ビタミンCがたっぷり含まれています。
ここで注目したいのは、シネフィリンという成分です。この成分には、気管支を緩める作用があり、喉風邪の予防や症状緩和に役立つといわれています。
また、皮に含まれるリモネンは、免疫力向上、血行促進、抗炎症作用、代謝促進、リラックス効果など、さまざまな健康効果が期待できるといわれている香り成分です。
↑上記にそのほかの「旬食材」をまとめていますので、ぜひご覧ください。