旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■ブドウじゃない
正解:グレープフルーツ
難易度:★★☆☆☆
輸入品がほとんどです
爽やかでちょっとほろ苦い……。独特の味わいをもつグレープフルーツはミカン科の柑橘類で、ポメロ(ブンタン)とオレンジの自然交配種です。
1700年代に西インド諸島のバルバドスで発見され、ブドウのように房なりで実ることから「グレープ+フルーツ」と名づけられました。
日本で流通しているもののほとんどは主にアメリカ、南アフリカ、イスラエルなどから輸入されたものです。ということで、旬の時期が輸入国によって異なるため、通年、店頭に並んでいます。
アメリカ産(フロリダ)の旬は3月~6月頃、南アフリカ産は6月~9月頃、イスラエル産は12月~2月と、旬の時期が輸入国によって異なるため、ほかのかんきつ類とは違って通年店頭に並んでいるのです。
国内での生産量はごくわずかで、主に鹿児島や静岡、愛媛で栽培されているのみです。
国産品が少ない理由は、グレープフルーツは亜熱帯~熱帯向きのかんきつで、寒さにとても弱いからです。そのため、栽培できるのは鹿児島や一部の温暖な地域のみとなってしまうのです。
また、病気や害虫に弱く、栽培に手間がかかるのも生産量が増えない理由のひとつです。安くて質の高いグレープフルーツが年中安定して輸入されてくるため、わざわざ国内でコストのかかるグレープフルーツを栽培するメリットが少ないのが現状なのです。
ホワイト・ピンク・ルビーなどさまざまな種類があります。ホワイトはすっきりした味わいで、酸味が強めです。ピンクやルビーは甘みが強くてジューシーな味わいです。
グレープフルーツの皮には「リモネン」や「シトラール」という香り成分が含まれていますが、これらには消臭・防虫効果があります。そのため、乾燥させてポプリにしたり、皮を小さく切ってお皿に置くだけでも効果が得られます。
また、「リモネン」は天然の溶剤としても注目されていて、クルマのワックス、ペンキの溶解剤、化粧品の原料などにも使われています。